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執筆者:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
生理学と心理学では、涙については違ったアプローチをしています。
生理学では、体液としての涙には、角膜などへの栄養補給、瞼を円滑に動かす潤滑材、細菌や紫外線から目を守り消毒をする防御機能など、「基礎分泌」「反射性分泌」と呼ばれる欠くことのできない働きが認められています。
涙が枯渇することで、たとえば「ドライアイ」といった病気になります。
これに対して、心理学は涙を感情と結びつけてその作用を研究してきました。泣くことは多義的(複数の意味がある)で、そのため誤解も多く生まれてきました。
感情と涙の関係
人が涙を流す行為を「泣く」と言います。
その時「声」をあげることもあるので、動物にも「鳴く」と、泣くと同じ「音」を使った表現がなされます。特に鳥や虫が発すると「啼く」も使われます。
国語辞典などには、「精神的・肉体的刺激に耐えられず、声を出して涙を流す」とか、「つらい状況に陥って苦痛に悩む」など、人間の感情を表わす行為として「泣く」が定義されています。
この場合、一般的にはネガティブな状態のときに「泣く」というように解釈され、「悲しい」「つらい」「苦しい」「悔しい」などから人は泣くのだと、意味が限定されてしまいます。
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