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執筆:伊坂 八重(メンタルヘルスライター)
監修:株式会社 とらうべ
「夏になると、なんとなく気分が良くなる」「冬になると、気持ちが落ち込む」という人もいるかもしれません。また、「北欧は冬季のうつ病の発症率が高い」などとも言われています。私たちのココロと気候にはどのような関係があるのでしょうか?
毎年決まった季節に調子が悪い「季節性感情障害」
「気候や季節によって、体調に差を感じる…」このような経験がある人もいると思いますが、実は気候や季節と私たちのココロには深い関係があることが分かっています。
そのことを象徴する精神的疾患として、「季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder;以下 SAD)」があります。
SADは、ある特定の季節になると気分の落ち込みなどの症状が現れる病気で、秋~冬にかけて症状が現れることが多いことから、「冬季うつ病」とも呼ばれています(ただし、夏などに症状が現れ、秋~冬にかけて症状が回復することもあります)。
アメリカ精神医学会が発行している『DSM-5:精神疾患の分類と診断の手引き(最新版)』では、「季節型」として、うつ病のひとつに分類されています。
発症すると、気分の落ち込み、気力の低下、易怒性、性欲の減退など、うつ病と似たような症状が現れる一方で、不眠や食欲低下といった症状ではなく、過眠や食欲増加といった症状が現れます。
また、このような症状は「春になると調子が良くなる」というように、特定の季節が過ぎることで回復するといわれていて、SAD患者のおよそ3分の1が、春から夏にかけて気分が高揚してくる、ともいわれています。
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