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執筆:井上 愛子(保健師、看護師)
揚げ物を食べた後、胃もたれがしたり、お腹が痛くなった、という経験はありませんか?なかには「下痢をしてしまう」という人もいることでしょう。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。詳しく解説していきましょう。
揚げ物を食べた後、お腹が痛くなるのはどうして?
食べ物を口から取り込むと、食道を通り胃に送り込まれます。胃内では胃酸や消化酵素「ペプシン」などの働きにより食べ物は、お粥のようなドロドロした状態に消化され、食後2~4時間かけて少しずつ腸に送りだされます。
胃では油や脂肪はあまり分解されずに、おもに十二指腸で、胆汁から排出される胆汁酸や膵臓から出てきた膵液に含まれる「リパーゼ」により分解されます。小腸に大量の油や脂肪が送り込まれると、すぐには吸収することができないため、油や脂肪は胃内にとどまる時間が長くなります。
油や脂肪を多く摂って胃もたれするのには、この胃内にとどまる時間の長さが影響しているのです。
大量に揚げ物を食べても若い頃には平気だったのに年齢とともに苦手になることがありませんか?
これは加齢に伴って胃の運動機能も低下するためです。また、体調不良で胃の機能が落ちている場合にも油っぽい食事を食べると、消化が上手く進まず、腹痛などの症状が出てくると考えられます。
ほかにも、脂っこい食事を大量に食べることでも、胆汁の分泌がうまく追いつかず、オーバーワークの状態になることがあります。その結果、脂肪分が十分吸収されないまま大腸に送られてしまうので、下痢につながりお腹が痛くなることがあるのです。
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