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執筆:南部 洋子(助産師、看護師)
医療監修:岡本 良平(医師、東京医科歯科大学名誉教授)
これからが本格化する冬の季節。とくに気を付けたいのが感染力の強い「ノロウィルス」です。
ノロウィルスは11月ごろから春ごろにかけての感染が多く、会社や学校で発生した場合には集団発生にもつながるため、何としてでも予防したいと考える人が多いでしょう。
予防対策として、公共施設やオフィスの受付にアルコール消毒を置かれているのを見たことはありませんか?しかし、実はその「アルコール消毒」、ノロウィルスの予防としては効果が薄いようです。
ではいったいどうやってノロウィルスを予防すればいいのでしょうか?詳しく解説していきます。
「アルコール消毒」はノロウィルス予防に効果がない?
ウィルスを構造上から分けてみると、「エンベロープ」があるウィルスとないウィルスに分けることができます。
エンベロープとは、脂肪やタンパク質などからできている膜のことをいいます。インフルエンザウィルスやRSウィルスなど、約80%のウィルスがエンベロープを持っているウィルスです。
エンベロープは、大部分が脂質から成っています。そのため脂質を溶かすことができるアルコールや有機溶剤(クロロホルム、エーテル、ベンゼンなど)で、簡単に破壊することができます。
ところが、ノロウィルスは、エンベロープを持たないウィルスです。つまり、アルコールでは、殺菌することができないのです。
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