ネットで手に入れたアノ薬…4割が危険なニセモノ(偽造医薬品)だった!

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ネットで手に入れたアノ薬…4割が危険なニセモノ(偽造医薬品)だった!

公開日時

 
執筆:座波 朝香(ヘルスケアライター・助産師)
医療監修:株式会社とらうべ

 
 
2016年11月24日(水)、EDの治療薬を国内で正規に販売をしている製薬会社4社による合同のプレスセミナーが開催されました。
 
セミナーでは、今年で2回目となる「偽造ED治療薬」に関する合同調査の結果が報告され、国内でインターネットから入手したED治療薬を専門的に鑑定した結果、その4割がニセモノ(偽造医薬品)だったという衝撃的な事実が明らかになりました。
 
診断されていない潜在患者を含めると、1000万人以上にものぼるとされている日本のED(勃起障害)患者。
 
ネットで購入した薬にどんな危険がはらんでいるのか、合同調査の結果を詳しくご紹介しましょう。
 

 

偽造医薬品とはどんな薬?

 
日本で正式に流通している薬は、「医薬品医療機器等法」という法律によって、品質や効果などの安全性が守られています。一方、インターネットで販売される薬にはそういった縛りがありません。
 
そのためどんなところでつくられているか、製造や保管による品質も全く保証されておらず、日本の正規ルート以外で手に入れた薬が、ニセモノである可能性があるというのが現状です。
 
そのような「偽造医薬品」について、WHOは、「故意にまたは不正に申請医薬品に似せて製造されたものである」と定義づけています。
 
 

購入前に本物を見抜き選ぶことは可能?

 
ED治療薬については、「バイアグラ(ファイザー)」で有名な「PDE5阻害剤」に効果があると認められ、日本では1999年から製造・販売されています。
 
それ以降、日本で承認されている正規品は、「バイアグラ」のほか、「レビトラ(バイエル薬品)」「シアリス(イーライリリー、日本新薬※販売のみ)」の3種類とその後発薬(ジェネリック)です。
 
今回の合同調査では、ネット上で入手できるED治療薬の成分が調べられ、4割が偽造医薬品であることが判明しました。さらに、真正品と偽造医薬品には、具体的に以下のような違いがあることも明らかにされました。 

 
1.有効な成分を全く含んでいない薬
 
2.効果とは関係のない成分が含まれている薬
 
3.不純物が混入している薬

・製造設備の安全性や衛生管理がされていないような劣悪な環境で製造されることがあり、例えば含まれているはずのない覚醒剤の成分が混入していることもあった。
 
4.効果を発揮するために認められている用量を超えてしまっている薬
・正規品「レビトラ」では成分量が「5mg」「10mg」「20mg」であるのに対し、国内外とも存在しないはずの「100mg」が製造・販売されている。
 
・正規品「バイアグラ」では成分量が「25mg」「50mg」であるのに対し、国内で認可されていない「100mg」や国内外とも存在しないはずの「300mg」が製造・販売されている。
 
・正規品「シアリス」では成分量「5mg」、10mg」、「20mg」に対し、国内外ともに存在しないはずの「50mg」「100mg」が製造・販売されている。
 
5.形状の違う薬
・正規品「レビトラ」が「錠剤」であるのに対し、国内外にも存在しない「カプセル剤」が製造・販売されている。

 
 

今回の調査の結果によると、ネットで入手したED治療薬のうち4割が、このような偽造医薬品だったということです。
 
4や5に関しては、認可されている正規品の規格を把握していれば、表示や形状により気付けることができるかもしれません。ところが、1~3などでは、実際の成分を外見で判断することはできませんし、そもそも表示と内容が異なるものもあります。
 
ですから、個人で正規ルート外から入手した薬は信用できず、本物を見極めることもできないということなのです。
 

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