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執筆:座波 朝香(助産師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
洗顔やボディソープなどの洗浄剤には、弱酸性のものと弱アルカリ性のものがあることをご存知ですか?
みなさんは、毎日のスキンケア用品をどのように選んでいるでしょうか。肌に良いものを選ぶには、肌のことを知るのが第一です。
では詳しくご説明していきましょう。
肌が弱酸性なのはどうして?
ヒトの肌が、弱酸性だということは聞いたことがありますか?酸性かアルカリ性か、その程度を表す数値、pH(ペーハー)はpH4.5~6.0くらいです。
実際には、肌の細胞自体のpHではなく、皮脂や汗の混ざりあった皮脂膜のpHです。赤ちゃんの肌も大人の肌も常に弱酸性を保とうとする働きがあります。
皮脂膜は外部の刺激から肌を守るためにベールのように肌をおおいます。
さらに、そのベールの性質として弱酸性を保つことによって、殺菌作用で雑菌の繁殖を防いでいます。
一般的なボディソープや石けんのpHとは
ボディソープなど多くの洗浄剤は弱アルカリ性です。
酸性の汚れは、アルカリ性のものでなければ落ちづらいため、清潔にするという目的では弱アルカリ性の石けんが重宝されてきました。製品にもよりますが、ボディソープなどの一般的な肌の洗浄剤や石けんは、pH9-11くらいです。
アルカリ性に傾くほど、肌への刺激が強くなります。
一般的な洗浄剤は弱アルカリ性ですが、弱酸性に作ることが技術的に可能になってからは、肌の弱酸性を守るために、ボディソープは弱酸性が良いということが巷に広がりました。
それまでは、技術的にも弱アルカリ性しか選びようがありませんでした。
しかし、技術の進歩によって選択肢が広がったことで、逆にどれがいいのかを迷われる方も増えているようです。
正しく選んで正しい洗い方をすることが基本
基本的に、弱酸性の肌を弱アルカリ性で洗えば中和されて、一時的に中性になります。
洗浄剤は汚れを落とすことが目的で、最後には中性の水(湯)で「洗い流す」からです。そのあとは、肌にとって有利な状態である弱酸性へと戻っていきます。
これを「アルカリ中和能」といいます。
ところが、もしも洗い残しがあり、肌に洗浄剤が残ったままになっていると、かぶれの原因になります。
それは、洗浄剤自体が弱アルカリ性だからダメということではなく、正しく使えていないということになります。
清潔にする目的は、過剰な皮脂を「適度に」落として肌を正常に保つためです。
あなたの肌にとって適度な洗い心地はどのようなものか、以下でみていきましょう。
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