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執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
鍋やラーメンなど、熱いものを食べようとしてむせた経験はありませんか?
健康な人でもむせることはありますが、そこには病気が隠れている可能性もあります。
今回は、この「むせる」しくみや、病気との関係についてご説明いたしましょう。
「むせる」とはどういうこと?嚥下のしくみ
食べ物を飲み込んで胃に送ることを専門的に「嚥下(えんげ)」といいます。
「むせる」という反応は、食べ物の摂取・嚥下(えんげ)と大きく関係しています。
私たちが摂取した食べ物は、口、咽喉、食道を通って胃に運ばれます。
口から摂取した食べ物は、口腔内で飲み込みやすい形に咀嚼(そしゃく)され、唾液などと混ざりながら、消化のしやすい形(食塊;しょっかい)へと変化します。食塊は、咽喉を通って食道、胃へと運ばれていきます。
食塊や水分が誤って気道に入ることを「誤嚥(ごえん)」といいますが、嚥下の際、誤嚥が起こらないように私たちの身体にはさまざまなしくみが備わっています。
たとえば、食塊が食道へ入るときには、「喉頭蓋谷(こうとうがいや)」という部分が下がったり、声門が閉じるなどして気道を遮断します。
このほかにも、さまざまなしくみによって、誤嚥が起こらないようになっています。
とはいえ、何らかの原因でこれらのしくみがうまく働かず、誤って気道や気管支に入ってしまうことがあります。すると、食塊や水分を気道から取り除こうと、反射的にせき込み「むせる」という反応が起こります。
多くの方が「むせる」経験をしたことがあるように、たとえば急いで食べたときなど、健康な人でもむせることはあります。
ただ、その回数が多い場合には、加齢や何らかの病気によって摂食や嚥下の機能が低下している可能性があります。
摂食や嚥下の機能が落ちることでむせることがあるとお伝えしましたが、実はこのほかのことが原因でむせることがあります。
次からご説明していきましょう。
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