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執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
亜鉛は体内では生成できない必須ミネラルのひとつ。
ですから、体の外から取り入れることが必要です。
日本人に推奨される一日の亜鉛摂取量は、成人男性で10ミリグラム、女性で8ミリグラム。
厚生労働省の調査報告によると、平均摂取量は男性9ミリグラム、女性7ミリグラム前後で、亜鉛を十分に摂取できていない人は多いと見られています。
今回はこの不足しがちな亜鉛の働きと、不足したときの影響についてみていきましょう。
亜鉛の働きと亜鉛不足になりやすい人
亜鉛は身体にとって重要なミネラルです。
体内には、体重70キログラムの成人男性でおよそ2グラムと、わずかな量しかありません。
亜鉛は、筋肉・皮膚・骨・髪の毛・肝臓・眼球などに存在しますが、とくに濃度が高いのは舌にある「味蕾(みらい)」という味覚を感知する器官と生殖機能にかかわる前立腺や精巣です。
どちらも細胞分裂が活発におこなわれていて、細胞の入れ替わりである新陳代謝に亜鉛が重要な働きをしていることがわかります。
亜鉛はおよそ200種類以上の酵素の構成成分になっています。
冒頭でお伝えしたように、日本人全体として摂取推奨量を下回っていますが、とくに次のような人たちは亜鉛欠乏症になりやすいと指摘されています。
偏った食事、極端なダイエット
肉や魚類に多く含まれる亜鉛。
一方、青菜に含まれるシュウ酸や食物繊維は亜鉛の吸収を阻害します。
そのため、ベジタリアンや高齢者、さっぱりしたものを好み、肉などをあまり食べない人は亜鉛が不足しやすいといえます。
食品添加物を含む加工食品やレトルト食品ばかり食べる
これらに含まれているポリリン酸などの食品添加物は、亜鉛の吸収を阻害します。
お酒をよく飲む
アルコールの代謝に必要な酵素は亜鉛を必要とします。
さらにアルコールは亜鉛を尿から排出することも促します。
アスリートやスポーツ選手にも多い亜鉛不足
汗や尿から排泄されやすいことと、ハードなスポーツが原因で起こる「スポーツ貧血」のなかには亜鉛欠乏性貧血があります。
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