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更年期障害との付き合いかた :治療薬、漢方薬、サプリメント
症状が強く、日常生活にも支障をきたすような場合は、ホルモン製剤補充療法(HRT)が効果的です。内服薬やパッチ製剤などで不足している卵胞ホルモン(エストロゲン)を補うことで、症状を緩和することができます。ただし、平均して5年以上HRTを続けていると、乳がんリスクが高くなりますので、定期的な乳がん検診(検査)が必要です。
遺伝的に乳がんリスクが高い場合や、これまでに乳がんになったことがある場合、またはホルモン製剤による血栓症リスクがある場合や、ホルモン剤による治療に抵抗がある場合などは、漢方薬などで治療することもあります。当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸などが使われることが多いようです。HRTと併用することもあります。
精神的な症状が強い場合は、向精神薬による治療もあります。
また、大豆イソフラボンはエストロゲンと似た成分であるため、これを含むサプリメントもある程度の効果は期待できます。また、血行を良くする効果のある葉酸やイチョウ葉エキス、関節痛改善効果のあるコンドロイチン、抗ストレス効果のあるGABAなどもおススメです。
更年期障害との付き合いかた :パートナーとの関係
更年期障害の症状が出ている時は、パートナーとの関係も上手くいかないことがあります。
例えばイライラや憂うつ感がある時はコミュニケーションが上手くいかず、急に怒り出してしまうこともあります。本心ではなくても辛くあたってしまい、パートナーとの関係がぎくしゃくすることがあります。月経前症候群と似ていますよね。
また、更年期障害の症状として、腟の乾き、腟の萎縮、性交痛などがみられることがあります。さらにこの時期には、母としての生活でいっぱいになっていまい、女性としてパートナーと接することが少なくなることもあるかもしれません。更年期だから、女性としての機能が衰えたから、パートナーとのセックスは考えたくない、あるいは性欲があることを悟られたくない、と考えてしまう人もいるかもしれません。身体の変化だけではなく、精神面での変化により、パートナーとの関係が上手くいかなくなることもあるのです。
しかし、女性はいつまでも若く美しくありたいと願うもの。パートナーとの関係が充実していると、不思議と肌のつやが良くなったり、心が前向きになることも多いのです。
パートナーとの関係とは、セックスだけではありません。
軽いスキンシップをする、お互いを褒めてみるなど、小さなことでもパートナーとの関係、心のつながりが上手くいくことはあると思います。更年期の時期は、これからの身体の変化について考える時期でもありますし、パートナーの定年や子どもの自立、親の介護など生活環境が大きく変わる“岐路”の時期ともいえます。
少しでも前向きに更年期を過ごせるよう、パートナーとの関係も上手くコントロールしていきましょう。
<取材協力>
バイエル薬品株式会社
<監修者プロフィール>
太田 郁子(おおた・いくこ)
倉敷平成病院婦人科医長、医学博士、日本子宮内膜症啓発会議実行委員
<執筆者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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