(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
「情・意」を持たせなければ大丈夫?
なぜなら、人間同士の諍い(いさかい)の多くは「意志と意志の対立」から起こっています。「情と情」、「情と意志」も同じです。
AIが「情・意」を持って人間に近づきすぎると、人間とAIの間に諍いが起こるかもしれないのです。
そして、諍いは相手の「支配」または「殲滅」を望むきっかけになります。
AIが人を凌駕する力を持って、人から独立した「情・意」を持った時、2045年問題は本当に人類の脅威となるでしょう。
ただ、逆に言えば自由意志と情を持たせなければ、人間とAIの間に諍いが起こる可能性はとても小さくなります。であれば、2045年問題を心配する必要はないでしょう。
脳と人工知能 :大事なことは人間性の進歩
本当に大事なことはAIの進化を心配することではないかもしれません。
世界をイノベートする「情・意」はAIに任せずに、人が責任を持てばいいのです。
AIにやらせなければいいのです。
言い換えれば、機械が代行できないくらい素晴らしい人間性を人間が身に付ければいいのです。
AIの「意志」や「情」を実現するテクノロジーも科学に興味を持つ一市民としては魅力を感じますが、一人の人間としてAIの強大な「知」の力を使いこなす「情・意」を私たちが身につけるべきではないかと思います。
<執筆者プロフィール>
杉山 崇
神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授。教育支援センター副所長、心理相談センター所長。臨床心理士、公益社団法人日本心理学会代議員、キャリアコンサルティング技能士。
今年4月に『入門!産業社会心理学-仕事も人間関係もうまくいく秘訣(北樹出版)』が発売予定。
公式サイトはこちら⇒ http://www.sugys-lab.com/
スポンサーリンク