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洗脳のメカニズム :洗脳の鍵は「負の強化」
この現象の鍵になるのは「負の強化」と呼ばれるメカニズムです。
負の強化とは、ある行いをして強いストレスから解放されると、その行いを繰り返すようになる現象です。
人質に取られることは自分の意思に反するわけですが、その間の実際問題として飲食も排泄もすべて犯人の承諾が必要です。
犯人に許可を得ることで、乾き、空腹、排泄を我慢する不快感が取り除かれるのです。これを繰り返すうちに許しを与えてくれる犯人に感謝するようになります。
さらに人質は命を脅かされています。
犯人に従順にしていれば、さらに警察が犯人を刺激しなければ犯人の態度もやわらかくなります。
殺されるかもしれないという強烈な恐怖や緊張感から解放されるのです。
こうして犯人に従順になり、協力的になり、犯人の機嫌が良くなることが正しいことなんだ…という思い込みが作られます。これが洗脳のメカニズムです。
ストレスが強烈であればあるほど負の強化は効果があります。
乾き、空腹、死の恐怖、孤立、絶望、などなど強いストレスを感じていると誰にでも起こり得る現象です。
洗脳のメカニズム :希望と自信を与えてくれる人を求めて…
ところで、人の心は希望と人の温かさを栄養に活き活きとするものです。
孤独と絶望は心を深く傷つけます。
能年さんは今でこそ人気者で期待されていますが、報道によると無名時代は自信がなく、人づきあいも乏しいパッとしない時代もあったそうです。
きっと、何らかの寂しさや絶望感を抱えていたことでしょう。
多感な思春期に自信がない人の多くは、自分を呪い将来に絶望します。
その苦しさは言葉にならないほどの痛みを伴います。
そんなときに、誰かが力強く自分を勇気づけて、希望を持たせてくれたら…。そうです、心の痛みから解放されるのです。
たとえ怪しげな人物であっても、心の痛みからの解放で負の強化が成立すると、心がその人物を求めて依存してしまうのです。
こうして洗脳と呼ばれる現象が発生します。
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