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執筆:Mocosuku編集部
雨の日に、何だかとても落ち着く......それは、あなたの周りの植物たちから放出される、「フィトンチッドの森林浴効果」によるものかもしれません。
植物の根や幹に含まれるフィトンチッドという香りの成分は、空気を浄化し、心と体をリフレッシュしてくれます。
それは森林浴の効果の源であり、雨の日に感じられる清々しく澄んだ空気の印象もここから来ていると思われます。
何かと気分が沈みがちな梅雨の季節ですが、フィトンチッドの放出量は最大になるため、決して悪いことばかりではありません。
雨の多い時期は、静かにあなたの体は癒されているかもしれません。
このフィトンチッドの森林浴効果について、詳しく見ていきましょう。
冬よりも夏に多く、梅雨季に最大となるフィトンチッド
フィトンチッドの主成分と考えられるリモネンを指標とし、フィトンチッドの放出量の変化を調べた研究があります(諏訪東京理科大学)。
一般的に、フィトンチッドの放出量は気温と日照量に左右されるため、気温が高く日照量の多い夏に増えると考えられています。
実際、この研究も夏の放出量が冬の放出量を上回ることを示しています。
しかし、気温と日照量だけでは説明できないことがありました。リモネン濃度は確かに冬よりも夏に増えますが、気温と日照量で劣る梅雨季でさらに増大していたからです。
ある観測地点では、10/5(曇り):5.434ppb、8/21(晴れ):12.398ppb、6/25(曇り):25.001ppbを示しました(※ppbは10億分の1を示す単位)。つまり、夏は冬の2倍以上、そして、梅雨季は夏の2倍以上の濃度のリモネンが観測されたのです。
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