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昆虫や鳥類の活発な行動が、植物の防衛能力を高める説
フィトンチッドの放出量は気温や日照量にも影響されますが、何より植物の生長ステージに依存していると考えられます。
梅雨季には、樹木の葉や幹を摂取する、植物にとって有害な昆虫や鳥類の活動が活発になります。植物はこれに呼応するようにして防衛能力を高め、フィトンチッドの放出量を増やすのです。
もともとフィトン(phyton)は植物、チッド(cide)は殺すを意味し、「植物が殺す」がフィトンチッドの語源となっています。
植物が傷つけられると、傷口から菌や細菌が侵入しないように、それらを殺す成分を放出します。それがフィトンチッドであり、動物の死骸などが堆積する悪環境の中で植物が自分自身を守るために必要なものでした。植物が汚れた空気の脱臭効果、抗菌効果を持つのもうなずけます。
人体に対しては、交感神経を抑え、副交感神経を優位にする働きが指摘されています。
湿度の高い熱帯夜が続きますが、樹木の香りが快眠を手助けしてくれるかもしれません。
【参考】
フィトンチッド放出量の定量化に関する研究(土木学会第63回年次学術講演会)(http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2008/63-07/63-07-0121.pdf#search='%E5%9C%9F%E6%9C%A8%E5%AD%A6%E4%BC%9A63%E5%9B%9E+%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%83%E3%83%89')
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