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ライフログで健康管理 :日常の健康状態を管理、具体的な生活改善にもいかせる
こうした日常のあらゆるデータが蓄積される事で、健康につながるさまざまなメリットが生まれると考えられています。
例えば、体重や体脂肪率など健康にまつわる情報がデータ化される事で、自分の現在の健康状態が明確に把握できます。漠然とした把握状態だと健康管理はなおざりになりがちですが、具体的に数値化される事で、いやがおうにも自身の健康管理を意識せざるを得なくなります。
次に、情報が継続的にデータ化される事で、自身の健康状態の「変化」をいち早く察知する事ができ、生活習慣を変えるきっかけにもつながります。
そして、何か具体的に生活習慣を変えようと思ったときにも、「ライフログ」のデータは大いに役立ちます。例えば食生活を変えてみた後、どのように自分の体重や体脂肪率が変化するのを知ることができます。もしいい方向へ変われば、一層食生活に対する意識は高まるでしょう。
また、運動を意識した生活習慣の改善を始めた際には、歩数や移動距離で運動量の把握も併せて可能です。ランニングなどをはじめた際、どのぐらい走ったかそれがどのくらいの運動量なのか、それが体重などにどのように反映されていくかをデータで確かめる事ができます。こちらも食生活による変化同様、ふだんの生活のなかで少しでも歩こうという意識が芽生え、もし実践している運動があれば、一層がんばろうという励みにもなるはずです。
ライフログで健康管理 :医療や介護現場の管理ツールとしても期待
「ライフログ」による生活情報の管理は、我々の日常生活だけでなく、医療や介護の現場でも大いに活用される可能性を秘めています。
すでに病院や介護施設では、患者さんや高齢者の方の生活データは蓄積されていると思われがちですが、先駆的な現場ではデジタル化が進んでいるものの、まだまだアナログな形で確認、集計されている現場も少なくありません。時間も人手もかかるでしょう。
しかし「ライフログ」を一元的に活用すれば、個人の生活・健康データの管理は大幅に効率化されます。自動的に蓄積されるので、リアルタイムでかつアナログのときほど人手も必要ありません。デジタル化によりデータの正確さも追求できるでしょう。大げさでなく、医療、介護現場にこそ、この「ライフログ」の威力は発揮されると言っても過言ではありません。
いざ健常な人が入院、または介護施設に入居する、といった際にも「ライフログ」でデータを蓄積しておく事は大いにメリットがあります。それまでの生活習慣が蓄積されているのですから、治療をする際にも役立ちますし、生活のケアをする際も、それまでどのような生活習慣で過ごしていたかがわかれば、その人にとって快適なライフサイクルに合わせた介護を提供する事が可能になります。
ただ一方で、「ライフログ」でデータ化され蓄積された情報は、極めてプライベートな個人情報に当たるので、その管理手法は今後の課題になっていく事が予想されます。そうしたリスクマネジメントもふまえて「ライフログ」を利用すれば、私たちの生活をより健康へとつなげやすくなることは、間違いないでしょう。
種藤 潤(たねふじ・じゅん)
神奈川県生まれ。ライター・エディター・ウェブプランナー。雑誌やウェブにて、食、住まい、教育、ビジネス、介護、旅と、生活に身近なあらゆるテーマで取材・執筆活動を行う。近年はオーガニックなライフスタイルにも着目。特定なジャンルに限定せず、日常を包括的な視点で捉えた「生活がちょっと楽しくなるタネ」の提供を心がけています。
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