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無理のない断食 微量栄養素と水分を補う
断食を、便の排出の目的に限定して行うなら、厳密な意味での断食とは異なったものになります。栄養素は、タンパク質、脂肪、炭水化物などの多量栄養素と、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素に区別されます。多量栄養素の摂取については一定時間控えますが、微量栄養素についてはできるだけ摂取するようにします。
また、断食時には水分を多めにとるようにします(1~2リットル)。断食時には脂質が不足するので、微量栄養素のなかでも脂溶性のビタミンA、D、E、Kは吸収しにくくなります。水溶性の微量栄養素にはビタミンB1、B2、B6、B12、パントテン酸、葉酸、ナイアシン、ビオチン、ビタミンCがあります。これら水溶性の微量栄養素を手軽に摂るにはサプリメントやゼリー状の食品が便利です。多めの水と一緒に摂るようにするとよいでしょう。
この他、昆布や椎茸にふくまれるグルタミン酸は腸の栄養となるもので、代謝燃料として使われます。免疫力を維持し、風邪を引きにくくする効果も期待できます。グルタミン酸の摂取にもサプリメントが便利です。また、発汗の多い夏には、体の塩分不足にも配慮する必要があります。ビタミンCを含む緑茶を梅干しと一緒に食べるのもよいでしょう。
水分と必要な栄養素を補いながら行えば、断食の安全性も向上します。夕食後から次の日の昼食前までの短期的な断食であれば、実質的に、朝食を1回抜くだけで済みます。夕方5~6時頃に早めの夕食を取り、翌日の昼食を少し遅めの午後1~2時頃に取れば、20時間近く断食することになります。一度試してみたいという人は無理のない方法を選ぶことが大切です。
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
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