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いびきと身体の不調 :いびき改善法
治療薬や治療器具に頼らずにいびきの改善を試みるには、まずは横向きで寝て、気道をふさがないようにしましょう。肥満の人は、舌も大きくなり、喉にも脂肪が付いて、気道はますます狭くなるので、通常よりも簡単に気道がふさがってしまいます。減量を試みましょう。
また、高齢者は男女を問わずいびきをかきやすいといわれています。加齢で筋肉が緩み、口が開いてしまうことで、気道の通りが狭くなるためです。顔まわりの筋トレもおすすめです。
鼻炎、風邪、疲労、飲酒などでも一時的にいびきをかくことがありますが、その場合は「単純いびき症」と言って、症状が改善すればいびきもなくなります。
いびきと身体の不調 :いびきから見る病とは
朝起きたときに口の中がパサパサすると感じたら、口呼吸で寝ていた可能性があります。口呼吸をしていると、空気中のウイルスが入りやすく感染症にかかりやすくなります。また、特に冬の冷たい空気を吸い込むと、気道に傷がつく可能性もあります。
口呼吸によって考えられる症状
睡眠時無呼吸症候群、免疫力低下、成長ホルモン分泌の減少、扁桃炎、ウイルスによる口内炎、歯周病、口臭の悪化など
いびきには、治療を必要とする鼻とその周辺の異常が潜んでいることもあります。たとえば、鼻の仕切りが曲がっている、慢性的な鼻炎によって鼻の粘膜が厚くなっている、鼻の炎症で粘膜にポリープができている、副鼻腔に膿がたまっている、扁桃腺の腫れなどがあります。
治療せずに放置しておくと、無呼吸症候群の原因になることがあります。
重い無呼吸症候群の状態を放置していると、心筋梗塞などの心疾患を発生する確立は20%高まり、心不全の発症リスクは健常者の2.4倍と言われています。
無呼吸症候群は、事故にもつながります。2003年に起きた新幹線の事故は運転士の「無呼吸症候群」が原因でした。働き盛りのお父さんに、もしものことがあった時は手遅れです。「うるさい!」とイライラしてしまいますが、カラダが悲鳴をあげているかもしれません。今なら改善できる段階かもしれませんよ。あなたのお父さんやパートナーのいびきは大丈夫ですか?
監修:岡本良平(医師、東京医科歯科大学名誉教授)
参考 日本睡眠学会 睡眠障害治療の最先端
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/118/4/118_449/_pdf
数値出典
Marin JM, et al:Lancet. 2005 Mar 19-25:365(9464):1046-53、EYAL SHAHAR et al. Am J Respir Crit Care Med 2001.163:19-25 より)
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