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感染症の終息宣言 「SARS」の場合
SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome:重症急性呼吸器症候群)は、2002~2003年に中国の広東省を皮切りに、世界的に流行しました。この疾患は病原体である「SARSコロナウイルス」による全身性の感染症で、肺炎の症状が出ることから呼吸器症候群という名がついています。SARSは患者の咳やくしゃみの飛沫や体液を介して感染します。WHOは2003年7月5日、SARSの終息を宣言しました。しかし、終息宣言後、実験室内での感染などにより14名のSARS患者が報告されています。
感染症の終息宣言 :「MERS」の場合
MERS(Middle East Respiratory Syndrome:中東呼吸器症候群)は、周知のとおり、現在韓国でじわじわと死亡者が増えている感染症です。サウジアラビアで感染者が出た2012年から現在まで、同国だけで1000人近い感染者と400人を超える死者が出ています。サウジアラビアや周辺国からの帰国者などが英国やフランスなどでも発病しています。
MERSウイルスに感染すると、2〜15日の潜伏期間の後に発症し、主に重症肺炎のほか、下痢や腎障害などを引き起こします。必ずしも症状が重篤になって死に至るのではなく、もともと糖尿病やがん、心疾患などの持病を持っている人が死亡するケースが多いといわれています。
ウイルスの感染源はヤマコウモリと考えられていますが、どうやってウイルスがヒトに感染しているのか、はっきりとした感染方法はまだわかっていません。感染者の共通することは、アラビア半島に滞在したことがあるという点です。また、ヒトからヒトへの空気感染はないため、感染の拡大はそれほど速くありません。家族間や医療従事者において限定的な感染が確認されています。2015年5月時点で、1149人の感染者、431人死亡。感染地は韓国、中国と広がっています。韓国での死亡者は、27人となっています(2015年6月22日時点)。
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