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テニス肘のチェック法
テニス肘かどうかをチェックする方法があります。基本的な動きは次の通りです。まず、肘を伸ばしたまま、手の甲側を上に向けた状態で手首を伸ばします。そこから指先が天井を向く方向に手首を曲げていきます。以上のような動作を負荷をかけて行い、肘外側から前腕にかけて痛みが生じるようならテニス肘が疑われます。
自宅で簡単にできる方法があります。手の甲側が上を向いた状態で椅子などをつかみ、肘を伸ばしたまま手首の力で持ち上げるように努力してみましょう。このとき痛みが生じるかどうかを確認してください。
「トムゼンテスト」とよばれる方法は、肘を伸ばした状態で手首を背屈するときに医師またはパートナーに抵抗を加えてもらう方法です。この場合も同様に、肘の外側に痛みが生じればテニス肘が疑われます。
なお、肘の外側ではなく内側が痛む場合は、「野球肘」や「ゴルフ肘」とよばれる上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)が疑われます。
パソコンやマウスの操作でテニス肘に
テニス肘は手首に不自然な力が継続的に加わったときにも生じます。重い鉄鍋を振り回す中華料理やインド料理の料理人さんや、長時間ハサミを使う美容師さんなど、特定の職業の人たちに多く見られる疾患でした。現在では、学校や職場でパソコンやマウスを操作する機会が増えています。人によっては1日中、休みなく操作していることも少なくありません。たとえ1回1回に加わる力は小さくても、積み重なれば疲労、そして怪我につながります。疲労した状態で、追い打ちをかけるように同じ動きを繰り返すのも良くありません。
特に注意したいのは、手の甲を肘に近付ける方向に手首を曲げる背屈(はいくつ)の動きです。肘を机につけていると、どうしても手首を曲げて指先を持ち上げるかっこうになります。手首の下にクッションを置くなどし、キーボードよりも手首の位置が高くなるように工夫するとよいでしょう。
短橈側手根伸筋は中指の付け根に付着しています。とくに中指の使い過ぎは要注意です。Bonner選手はスマートフォンの操作でテニス肘になったといいます。同様に、もし、スマートフォンなどの操作を手首を反らせたまま、中指を中心に行っている人がいたら気をつけてください。知らず知らずのうちに短橈側手根伸筋にダメージが蓄積している可能性があります。ほどよく休ませ、ストレッチなどを心がけましょう。
<参考>
「iPhone大型化でテニス肘」:プロバスケットボール選手、シュート成功率低下を説明(?)
http://japan.cnet.com/news/offtopic/35067002/
症状・病気をしらべる(日本整形外科学会)
http://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/lateral_epicondylitis.html
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:坂本 忍(医学博士)
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