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原因は水の侵入を防ぐ身体のメカニズムにあった
溺水とは、気管・気管支を通って肺に水が入ることで肺に損傷を起こし、肺胞における酸素と二酸化炭素のガス交換機能が阻害され、低酸素状態に陥る状態です。こうした溺水をとくに「湿性溺水(しっせいできすい)」といいます。
一方で、「乾性溺水」は、肺に水が入っていない状態で起こります。
通常、人は水が口から入ってきても、咳をしたり、飲み込みなどによって、水が気管に入らないようになっています。
しかし溺れたとき、また夢中で泳いでいる間に何度も水を飲み込んだり、むせるような状態が続くと、喉頭部(気管の入り口)で痙攣(けいれん)が起き、声門が閉じてしまうのです。声門が閉じれば当然窒息して低酸素状態に陥ります。
冒頭のアメリカ人少年は、プールから帰ったあと、ベッドのうえでこの状態に陥ったと考えられています。
海や川で夢中になって遊んだり、プールで全力で泳だりしていれば、誰でも水が口に入ってしまうことはありすよね。乾性溺水は、人間に備わっている自己防衛機能によって、起こると言えます。
ジョニー君のような「水のないところで昼寝中に…」というケースはとても稀だそうですが、泳ぎ疲れた後などに、呼吸困難やけいれん、急激な眠気が襲ってきた場合は注意が必要です。
昼寝などをする場合は、1人きりにならない場所で。とくに子どもの様子の変化には注意しましょう。異常を感じたら、すぐに蘇生法を試み、救急車を呼びましょう。
溺れて救助されたあとも必ず病院へ!
溺れて救助されたあと、病院へも行かずそのまま通常の生活に戻ってしまうのは危険です。救助された人が数時間後に重篤な状態に陥ったり、亡くなることもあります。これを「二次溺死」といいます。
原因は、水が肺胞中に入っていたことで、浸透圧異常や感染症などにかかってしまうということ。結果として、肺浮腫が生じ、8~24時間後に二次溺死するといったケースがあるのです。
救助されたあとは、その場で身体に異常がなくても、必ず医療機関で診察を受けるようにしましょう。
<参考>
須坂市「水の事故に注意」
http://www.city.suzaka.nagano.jp/seikatsu/bousai/syoubousyo/kyuukyuu/mizu/#top
自宅のベッドで溺れた少年
http://grapee.jp/63310
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