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猛毒生物の危険 :なんと青酸カリ500倍以上の猛毒ダコも!
南の海の危険生物が北上しているケースは、他にもあります。
近年、東京湾や大阪湾など、各地で発見が報告されているヒョウモンダコ。体調は10センチほどで、興奮すると変色し、ヒョウのような模様が青く浮き上がります。
青酸カリの500~1,000倍ほどの猛毒を持ち、噛まれると24時間以内に筋肉や呼吸器の機能が失わる一方、脳にはあまり影響しないため、最後まで意識があり、苦しみながら死ぬといいます。
またイモガイの一種で、これまで沖縄を中心に30名以上のダイバーが刺されて亡くなったとされるアンボイナガイも、海水温の上昇によって棲息域を広げている恐れがあります。
猛毒生物の危険 :対策は、「近づかない」!
どうやら海の危険は高まる傾向にあるようですが、もともと海水浴客が生き物による被害にあうことは珍しくありません。
例えば、クラゲ。
中でも、特に危険とされるカツオノエボシ(電気クラゲ)は、触手から毒針が飛び出し、獲物に毒を注入します。人が刺されると長時間激痛が続き、死に至る恐れもあります。その名の通り、烏帽子のような形で砂浜に打ち上げられていることも多く、透明で美しいため、つい触ってしまい被害にあうケースもあります。
さらに、背びれに猛毒を持つオニダルマオコゼ。
海底で岩のようにみえるため、うっかり踏んでしまうとトゲが靴底を突き破ります。2010年には沖縄・名護市でダイバーが死亡しています。
今回紹介したほかにも、ミノカサゴやオニヒトデ、ガンガゼなど、海中には様々な危険な生物が存在していますが、いずれにも共通する有効な対処法は、何より「近づかないこと」。
どんなに危険な生物でも、理由なく襲いかかってくることはまれであるほか、必要以上に自然の生き物に触らないことは、生態系を守るマナーでもあります。
海水浴シーズン本番のいま、正しい知識と態度をもって、海を安全に楽しみたいですね。
<監修>
坂本 忍(医学博士 公認スポーツドクター(日本オリンピック委員会強化スタッフ))
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