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加害者の怒り自体は理解できる
一般に、異性に対する嫉妬には「配偶者防衛」の心理が働いていると言われています。
配偶者防衛とは、男性は妻の肉体的な不貞に対し、また女性は育児への協力が疎かにならないように夫の感情的な不貞に対して過敏になるというものです。
これは自らの子孫を確実に残すために獲得した、一種の本能であると考えられています。
被害者弁護士と大学院生の妻との関係が、単なる上司・部下の関係でなかったとしたら、大学院生が怒り狂うことは当然です。
妻だけでなく被害者弁護士にも攻撃的になることは、心理としてはあり得ることでしょう。
事件の当日、三者は話し合いの場を設けるために弁護士事務所に集まっていたとされています。
男性としての「ランキング」
ここで、「元ボクサーであり、法曹を目指す大学院生」という加害者の立場と、被害者である弁護士の関係性を考えてみましょう。
一方は国に認定された法曹界の一員。一方は法曹を希望する若輩者です。
どの社会にも、どの業界にも社会的ランキングがあります。
もちろん、ランキングがすべてではありませんし、ランキングは固定されたものではなく、個々人ごとの逆転も頻繁にあります。
しかし、社会がランクに沿って動いているのも事実です。
仕事はより実績があって確実にいい仕事をしてくれる人=ランキング上位の人に集まりますし、そうでない人=ランキング下位の人には集まりません。
ランキングを参考に適材適所を考慮することは、社会を円滑に回す一つの手段になっているのです。
その是非はともかく、一つの現実として世の中にはランキング意識が横たわっているとご理解ください。
これを今回の事件に当てはめると、法曹という社会のランキングで見ると、大学院生にとっては残酷な現実があります。
法曹の一希望者に過ぎない彼は、これから弁護士になれるかどうかも未定であり、その世界では最低ランク、いやランキング以前の立場なのです。
法曹界における地位という意味で、被害弁護士とは天地の差があります。
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