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髄膜炎菌感染症 :髄膜炎菌性髄膜炎
髄膜炎を引き起こす「髄膜炎菌」の感染によって起こる髄膜炎です。髄膜炎の流行を起こす唯一の細菌で、化膿性髄膜炎を起こします。咳やくしゃみなどに飛沫によって、人から人へ直接感染します。今回確認されたのは、この髄膜炎菌への感染です。
日本にも髄膜炎菌は生息してはいますが、年々発症報告が減っており、感染自体がめったに起こらないものになりつつあります。しかし、海外では未だ猛威を振るっている細菌です。
髄膜炎の初期症状は風邪の症状に似ており、早期診断が難しいとされています。中でも髄膜炎菌髄膜炎は、他の細菌による髄膜炎と比べると症状が急激に進行することが特徴です。
発症すると、意識障害、ショック、全身性出血などのために死亡することもあります。発症後2日以内に5〜10%が死亡すると言われています。いったん発症してしまうと救命するのは困難です。発症年齢は、0歳代と15〜19歳が多いとされており、学校のクラブ活動での流行も報告されています。
髄膜炎菌感染症 :細菌性髄膜炎
髄膜炎菌以外の細菌感染で発病する髄膜炎です。原因としては、インフルエンザ桿菌や大腸菌、ブドウ球菌、肺炎球菌、結核菌、真菌などがあります。普段は鼻や喉につく細菌が、血液の中に入って脳を包む髄膜に入って炎症を起こす病気です。最終的には脳そのものにも病気を起こします。
現在、日本ではワクチンが導入されていますが、導入される1980年代以前は、年間約1000人の子どもが細菌性髄膜炎にかかっていました。ヒブ(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)による髄膜炎患者が年間約600人、肺炎球菌による髄膜炎患者が200人ほどおり、50人近くの子供が死亡していました。細菌性髄膜炎にかかった子供の66%は0〜1歳児、34%は2〜4歳児です。生後5か月頃から急に増えます。
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