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休むことへの罪悪感
いくつかの調査項目を見てみましょう。
有給を取る際に罪悪感を感じてしまう割合
日本…26%
韓国…24%
インド…20%
シンガポール…20%
休暇中も仕事のことが頭から離れない割合
日本…13%
韓国…8%
シンガポール…6%
インド…6%
長期休暇を取る割合
日本…11%
タイ…17%
オーストラリア…18%
イギリス…21%
韓国…23%
アメリカ…23%
有給を取る際の罪悪感については日本と韓国がツートップです。
わずかな差ではありますが、日本は26%と24%の韓国よりもさらに悪い結果となっています。次に休暇中も仕事のことが頭から離れない人の割合になると、日本は韓国をも引き離して突出した1位に!
世界の平均は5.6%ということですから、いかに日本人が仕事に熱中しているのかがわかります。そして、長期休暇を取る人の割合においても日本はダントツの最下位。
有給休暇消化率ワースト1位からは脱したものの、私たちが有給休暇を消化する上で好ましくない傾向を持っているのは確かなようです。
「プラスワン休暇」とは?
日本における低い有給休暇消化率を受けて厚生労働省は昨年度から、10月を「年次有給休暇取得促進期間」とし、啓発活動を行っています。そこで、特に強調されているのが「計画的付与制度」の活用です。
計画的付与制度とは、年次有給休暇の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を結べば事業主が計画的に付与できるというものです。例えば、付与日数が10日の場合は、5日分を事業主が計画的に付与し、残りの5日を従業員が自由に取得します。付与日数が20日の場合は、15日分を事業主が計画的に付与し、残りの5日を従業員が自由に取得します。
本来すべてを自由に取得できるはずのものに関し、その一部が計画的に付与されるとすれば、それは権利の制限といえるでしょう。
しかし、日本の多くの職場環境においてはそうはなりません。自由に取得できるとなると、休むことに罪悪感を感じて積極的な取得に至らないからです。
ひとことで言うなら、「自分で休みを希望するより、あらかじめ決められた休みの方が休みやすい」ということです。
計画的に付与される休日を、土日、祝日と組み合わせれば連休を作ることができます。
例えば、2015年10月のカレンダーを見ると、10日(土)、11日(日)、12日(月・体育の日)となっています。こうした連休にさらに1日の休日を追加することを「プラスワン休暇」と呼び、次のような連続休暇が可能になります。
9日(金)← プラスワン休暇 (計画的に付与)
10日(土)
11日(日)
12日(月・体育の日)
このようにして4連休を取ることができます。計画的付与制度を導入することで、事業主は労務管理がしやすく計画的な業務運営が可能になります。
そして従業員は、罪悪感を感じることなく年次有給休暇を消化できると考えられます。
プラスワン休暇 は諸外国から見れば、ささやかな休暇でしかないかもしれません。「たった1日増えるだけ?」と思う人もいるでしょう。
しかしただでさえ休めていない人にとって1日の休日は大きいものです。連休ともなれば、心身ともにリフレッシュできそうです。
日本はこの分野においてはワースト2位。小さなこと、できることから改善していくのは悪いことではないでしょう。
【参考】
厚生労働省『10月は年次有給休暇取得促進期間です~ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて年次有給休暇の取得を促進~』(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000096980.html)
Expedia『7年連続最下位に終止符!有給休暇国際比較調査2014』(http://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2014/)
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