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ロックミュージシャン、LUNA SEA のボーカルを担当している河村隆一さんの妻の河村公美さんが、河村さんと結婚に至った経緯と結婚生活を明らかにし、「 軟禁結婚 」であると話題になりました。
その内容は驚きの連続です。
たとえば、「結婚前からデートをしたことがない」、「友達全員との交際関係を切らされた」、「家の鍵を持たせてもらえない」、「3か月も親と連絡をとることができない」などなど……。
ネットでは「犯罪では?」、「モラハラ夫?」と話題になっています。
ただ、驚きはこれだけではありません。
妻は自分自身のことを「神亭主」に使える巫女として、河村さんの束縛を受け入れているというのです。
河村さんも横暴なだけではなく、家族の願いも聞き入れ家事も手伝ってくれるとか。妻は河村さんを崇めているとも言います。
傍目には、とても不思議な夫婦関係のように見えますが、心理学的にみると、どのようなことが考えられるのでしょうか?
神奈川大学の教授であり心理学者の杉山崇さんにお話を伺いました。
軟禁結婚 :河村夫妻は現代では「奇跡に近い関係」
奥様が本当に幸せなら、まさに奇跡のご夫婦というべきです。
お二人はとても美しい「ストックホルム症候群」と「リマ症候群」で結ばれたご夫婦なのかもしれません。
症候群と言う名前はついていますが、病気ではなく、心理のありようを示すもので、戦前昭和の日本ではこのような夫婦像が理想化されていました。
ただ、当時でもどちらかが無理をすることになることが多かったようです。
現代で、ここまで美しく完成されているのは奇跡に近いと言ってもよいでしょう。
「ストックホルム症候群」は監禁者を崇める心理として比較的有名です。
監禁・支配されているうちに、監禁者が時に自分に良くしてくれるので敬意を抱くようになる現象です。時に愛情にもなる場合があります。
ですが、ここまで美しく完成されているのは、夫である隆一さんの束縛の効果だけではないでしょう。
恐らく結婚前から妻の公美さんは少なからず河村さんを崇めていて、もともと「変に逆らうより合わせるほうが幸せ」という懐の深いタイプだったのではないかと思われます。
監禁者が被監禁者に親近感を持って大事にする心理を「リマ症候群」といいますが、河村さんにも類似の感情が働いている可能性があります。
河村さんは義父に「結婚することにしましたので…」と伝えたのがプロポーズだったという程の「俺様」ぶりで、束縛も軟禁といえるほど横暴で自分勝手です。
ですが、健気に束縛を受け入れてくれる妻の公美さんは自分の貴重な理解者です。
大切に思えるようになって、愛しくもなってきます。これがリマ症候群です。
家事を手伝うなどの家族思いの行為はこの気持ちに由来しているようです。そして、この効果でお二人はさらに深く結びついているようです。
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