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トランス脂肪酸による身体への影響は?
日常的に摂取することも多いトランス脂肪酸。
長期に渡って過剰摂取することにより、血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減少されるとみられています。
これによって動脈硬化を起こし、心臓病や心筋梗塞などの危険性を高めると言われています。
トランス脂肪酸 が与える健康への被害を恐れ、アメリカやヨーロッパ、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリアなどの多くの国では問題視されています。
日本では制限されていないのは何故?
海外では制限されることもあるトランス脂肪酸は、今の日本では制限されていません。
WHO(世界保健機関)では、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満にするように指示しています。
日本人が1日に消費するエネルギー平均は1,900kcal。
つまり、総エネルギー摂取量の1%は1日で2gになります。1人あたり1日に摂取すべきトランス脂肪酸の目標量は2g未満。
2008年に農林水産省が実施した調査研究によると、日本人が1日あたりに摂取しているトランス脂肪酸は0.92~0.96gが平均と推定されているため、総エネルギー摂取量の0.44~0.47%に相当します。
これは、WHOが勧告する摂取量の1%未満にとどまるため、問題にする必要はないと考えられているのです。
ちなみに、100gあたりの食品中に含まれる脂質やトランス脂肪酸の含有量で1gも超えるものは次の通りになります。
・クロワッサン:0.29~3.0g
・味つけポップコーン:13g
・和牛ロース・サーロイン:0.52~1.4g
・チーズ:0.48~1.5g
・生クリーム:1.0~1.2g
・バター:1.7g~2.2g
・マーガリン:1.7g~2.2g
・クッキー:0.21~3.8g
(食品安全委員会:2007年「食品に含まれるトランス脂肪酸の評価基礎資料調査」より)
とはいえ、日本人がこれらの食品を1日に100g以上摂取することはごく稀です。
日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量はWHOの基準値よりも少ないため、日本ではトランス脂肪酸に対する厳格な規制はありません。
とはいえ、いずれにしても過剰摂取は禁物です。
栄養バランスを考え、トランス脂肪酸をとりすぎないよう日頃から注意しましょう。
参考:農林水産省
(http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/)
食品安全委員
(http://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20070330002)
<執筆者プロフィール>
山本ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士、サプリメントアドバイザー、食生活アドバイザー
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
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