正しい経血量や期間とは? 知っておきたい「正常な生理」

Mocosuku(もこすく)
  • 正しい経血量や期間とは? 知っておきたい「正常な生理」

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

正しい経血量や期間とは? 知っておきたい「正常な生理」

公開日時

 
執筆:Mocosuku編集部
監修:太田 郁子(医学博士)
 
 
12~13歳ごろに初めての生理を迎えてから、だいたい50歳で閉経を迎える生理。

 
女を何十年とやっていれば、ほぼ毎月くる生理はお手の物…だと思っている女性も多いでしょう。
 
とはいえ、なかなか他人と自分の生理を比べることはないもの。自分の生理が正常なのかわからない女性もいるのではないでしょうか。
 
ここでは、基本的な生理の知識についておさらいしていきましょう。
 

 

「正常な生理」の仕組みって?

 

どれくらいの生理周期なの?

生理の開始日を1日目として、次の生理が始まる前日までの期間を生理周期と言います。
 
正常とされる生理周期は25~38日です。理想的な生理周期は28日とされています。
 
生理周期はストレスによっても左右されやすいとされ、4~5日早くきたり遅く来たりする程度なら問題はありません。生理周期の間隔が24日以内のものを「頻発月経」、39日以上のものを「稀発月経」と言います。
 
 

生理期間ってどれくらい?

正常な生理期間は3~7日間です。
 
年齢とともに経血量が少なくなり、生理期間が短くなる傾向があります。
 
だいたい生理開始日から2~3日目が経血量のピークとなり、4~5日目から徐々に減っていき7日目に生理が終わるパターンが多いです。
 
生理が2日で終わる、あるいは10日以上も出血を続ける場合は異常です。
 
 

経血量ってどれくらい?

正常な経血量は20~140mlです。これより少ないと「過少月経」、多いと「過多月経」になります。
 
どちらも子宮筋腫などの病気が原因とされる器質性のものと、ストレスや環境の変化によるホルモンバランスの異常などによって起こる機能性のものとに分けられます。
 
過少月経の経血量は20ml以下で、おりもののような経血量です。一方で過多月経の場合は生理用ナプキンが1枚で1時間ももたずにモレたり、経血にレバー状のかたまりがまざったりすることがあります。
 
 

経血は何色?

経血量の5~6割は血液でできており、残りには不要になった子宮内膜の細胞や粘液が含まれています。
 
正常な経血には多少の粘り気があり、暗い赤色をしています。とはいえ経血の色は生理の日数に応じて変化していきます。
 
生理開始から3日めくらいまでは、明るめの赤色や暗赤色をしていることが多く、それ以降は茶色っぽい赤色に変わります。
 
 

生理痛の症状は?

正常な生理の場合、下腹部に痛みを感じますが、ほとんど症状を感じない人もいます。
 
生理痛は、子宮内膜をはがれ落とすために子宮を収縮することで起こります。このときに出る血液が経血として排出されるのです。
 
生理中はプロスタグランジンというホルモンが分泌することで子宮を収縮させますが、プロスタグランジンが過剰に分泌されると子宮が激しく収縮するため生理痛がひどくなります。
 
また、強いストレスを感じると女性ホルモンの分泌が乱れるため、身体が冷え子宮の機能が低下して生理痛を引き起こします。
 
そのため、体質によって生理痛の症状もさまざまなのです。
 
 
あなたの生理は大丈夫ですか?正しい生理の状態を知っておけば、いざというときに役立ちます。
 
心配な人は婦人科を受診しましょう。
 
 
太田郁子先生・倉敷平成病院婦人科医長
 
<監修者プロフィール>
太田 郁子(おおた・いくこ)
倉敷平成病院婦人科医長、医学博士、日本子宮内膜症啓発会議実行委員
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【生理】新着記事

「手のこわばり」は更年期の症状? 正しい知識で安心な備えを

「手のこわばり」は更年期の症状? 正しい知識で安心な備えを

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「指や手がこわばる」という訴えが更年期世代の女性に多いということ、ご存じですか? これは意外と知られていない、更年...

2018/04/02 18:30掲載

生理前・生理中の不調を緩和する、食事面でのポイント

生理前・生理中の不調を緩和する、食事面でのポイント

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 生理前は調子が悪くなる、生理中は食欲がない…など、生理にまつわる体調の変化は人それぞれです。 いずれにせよ、カラダ...

2018/01/05 18:30掲載

女性ならではのお悩み…? なぜ月経前には甘いものが食べたくなる?

女性ならではのお悩み…? なぜ月経前には甘いものが食べたくなる?

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 女性のみなさん、月経前になると、無性に甘いものが食べたくなることはありませんか? どうして、このような現象が起こるの...

2017/11/08 18:30掲載

毎月この時期は憂うつ…。それは「PMDD」の可能性も

毎月この時期は憂うつ…。それは「PMDD」の可能性も

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 月経前になるたびにイライラしたり、落ち込んでしまったりしていませんか? 月経前にこのようないつもと違う精神的な...

2017/02/27 18:30掲載

生理痛はガマンしない… は自然?不自然?

生理痛はガマンしない… は自然?不自然?

執筆:座波 朝香(看護師、助産師) 監修:坂本 忍(医学博士・公認スポーツドクター(日本オリンピック委員会強化スタッフ)・日本医師会認定産業医) 人と比べることが難しい生理(月経)。 生理痛(月経痛...

2017/02/15 18:30掲載

「正常な月経」を知っていますか?

「正常な月経」を知っていますか?

執筆:青井 梨花(助産師、看護師) 監修:坂本 忍(医師・公認スポーツドクター・日本オリンピック委員会強化スタッフ) 月経の量や周期の乱れなどから思わぬ病気がみつかることもあります。 女性特...

2017/01/30 21:30掲載