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なぜ天候で左右される?気圧と身体の関係
気圧とは空気の重さによる地表面にかかる圧力のことをいいます。
天気予報で聞く低気圧や高気圧。これは、「○○hPa(ヘクトパスカル)以上」というように、数値で決められているわけではありません。実際には、周囲の気圧との比較で決まります。
一般的には低気圧だと天候が悪くなるといわれています。
では、この気圧と身体がどう関係しているのでしょうか?
1.身体への影響
普段私たちの身体は、一定にかかっている気圧に押しつぶされないようにその気圧を押しかえすだけの力を備えています。
低気圧の場合、身体の外の圧力が低下することで内側から外に向けての押す力が強くなります。そのため、血管や細胞が膨張し、血液やリンパ液の勢いがなくなることで血流やリンパの流れが悪くなります。
そうすると身体のだるさや、むくみ、頭痛、古傷や関節が痛むなどの症状がでることがあります。
2.自律神経への影響
なかには低気圧で落ち着く人もいますが、天気が悪いとどんよりとした気持ちになることがあります。
低気圧は上昇気流を生むため、地上の酸素濃度が若干少なくなります。酸素が少ないと、身体は余分な酸素を使わないようにエネルギー消費を抑えます。
すると、自律神経の副交感神経が優位になります。副交感神経は、リラックスモード・省エネモードですので、呼吸や脈がゆるやかになります。また、リラックスモードが行き過ぎると、やる気がでない、身体がだるいといった状態になることもあります。
一方、高気圧のときには交感神経が優位の状態になります。交感神経が優位になると、血圧、心拍数や呼吸数が上昇します。
また、気持ちも高揚し、興奮状態、意欲の向上、痛みを鈍く感じるなど、活動的な状態になります。
このように、私たちの身体は気圧の変化に影響を受けています。身体の不調として感じる場合には、急激な気圧の変化に身体が対応しきれないことが多いようです。
さらに、気圧の変化は日照時間にも影響し、身体に不調をきたすことがあります。
気圧と日照時間の変化による身体の影響
日照時間の変化とセロトニンの関係
高気圧のときは、天気もよく気持ちもすっきりとしていることが多いですね。天気が良くて日照時間も長いことで、日光を浴びる時間も長くなります。
日光を浴びると、ビタミンDの合成や、「セロトニン」という脳内物質の分泌が活性化することなどが知られています。
このセロトニンは、脳を覚醒状態にし、頭をスッキリとさせてくれます。また、気分を安定させる、自律神経のバランスを整えて、寝つきをよくするといった働きがあります。
逆に、天候が悪く日照時間が短くなることで、このセロトニンの分泌を抑制するといわれています。
日照時間と睡眠の関係
日照時間が短くなると、睡眠全般の質が低下する可能性があります。寝つきをよくするセロトニンが少なくなることもありますが、日照時間が人の体内時計に影響しているためです。
人の体内時計は25時間といわれており、時計の刻む時間(24時間)に合わせていくとズレが生じてしまいます。
この体内時計をリセットしてくれるのが日光です。この日照時間が短くなることで、体内時計にズレを生じることがあるといわれています。
このように、気圧や日照時間の変化は身体へさまざまな影響を与えます。
とはいっても、天候は変えられないもの。では、この影響を最小限にとどめるためにはどうすればよいでしょうか?
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