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執筆:伊坂 八重(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
喫茶店やカフェなどで、長時間、女性どうしで盛り上がっている姿をよく見かけますね。
一般的に「女性はおしゃべり」といわれていますが、その背景には脳のはたらきが大きく影響しているといわれています。
なぜ女性がおしゃべりなのか、その理由を考えていきましょう。
男女では話す目的が違った!?
「話す」ことと脳の関係については、これまでさまざまな研究が行われてきました。
その中で、男性と女性とではもともと言葉を使う目的が異なっていたことから、脳の進化に違いが生じたという説が唱えられています。
ヒトが言葉を持った昔の時代にさかのぼってみると、当時の男性は狩りをして食糧を得る役割、女性は子を産み育てる役割というように、男女に求められる役割に大きな違いがありました。
そして言葉も役割の違いに応じて、男女それぞれの目的を達成するために使われていました。
たとえば男性は仲間と狩りをするために必要な言葉を使い、時には言葉以外の合図でやりとりをするなど、「獲物を得る」ことを第一目的に、言葉を話していました。
一方、集団生活の中で子どもや家族を守る女性にとって重要なのは、情報交換でした。そのため、情報をもたらす人間関係を重視し、周囲と良好な人間関係を築くために言葉を用いていたのです。
このように、男女ではそもそも言葉を使う目的に大きな違いがあり、現在に至るまでその伝統が無意識に継承されています。
そして、この目的の違いが、話すときの脳の使い方にも影響を及ぼしているのです。
女性の方が言葉を操るのが得意
私たちの脳には、右脳と左脳があります。
右脳にはイメージを記憶したり、映像などを認識する役割があるのに対し、左脳は読み、書き、計算や論理的な思考をする役割を担っています。では、話すときにはどちらの脳が使われるのでしょうか?
話すときの脳の使い方を調べてみると、男性と女性では使われる領域に違いがあることがわかりました。
まず男性の場合、話すときにはおもに左脳を使っていることが明らかになりました。これに対して女性は、おもに左脳の前部と右脳の一部、つまり、両方の脳を使って話していることがわかりました。
さらに左脳の中でも発話で使われる領域がはっきり決まっているため(ブローカ野、脳の領域)、言語を操る能力に長けていることも明らかになりました。
このように、進化の過程の中で女性は話す能力を伸ばし、おしゃべりを楽しむ力を身につけてきたといえます。
この能力が、現代の女性にも引き継がれて「女性はおしゃべりが好き」と認識されるようになったと想像することができるでしょう。
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