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執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
「頑固でワガママ」だとイメージされがちなお年寄り。
しかしみんながみんな、「頑固でワガママ」なわけではありません。ある心理学者によれば、お年寄りは“高齢者ならではの5つのタイプ”に性格を分類できるのだとか。
さらに「可愛げがないおじいさん・おばあさん」と思っていたら、じつはそれは病気のせいだった、なんていうこともあるようです。
これからますます高齢化社会が進む中、身内や親族に関わらず、私たちはお年寄りと接する機会が確実に増えていくことでしょう。
今回は「お年寄りならではの性格」というテーマで、詳しく見ていきたいと思います。
「高齢者の5つの性格タイプ」について
アメリカ人の心理学者スザンヌ・ライヒャルトは、高齢者の性格タイプを次の5つに分類しています。
1.適応型;円熟型
元気で、できることを楽しみながら行っていくタイプ
2.適応型;安楽椅子型(依存型)
気楽な隠居タイプ
3.適応型;装甲型(自己防衛型)
衰えることに抵抗し続けるタイプ
4.不適応型;自責型(内罰型)
愚痴と後悔で自分の人生を呪うタイプ
5.不適応型;攻撃憤慨型(外罰型)
老いを受け容れず、しかもそれを周囲のせいとする
このような視点からすると、「頑固でワガママ」も自己防衛型や不適応型として、高齢者の性格タイプの一部だとみなすことができるでしょう。
もちろんこの研究は、アメリカ人高齢者をデータベースにしていますが、日本でも1や2の適応型のお年寄りが思いのほか、隠れているかもしれません。
性格か病気か?
例えば、お年寄りは一般的にはかなり確信的に「頑固でワガママ」だとイメージがもたれています。
しかしもう一方で、お年寄りの性格は個人差が大きいとも指摘されています。
この“矛盾”ともいえることは、どのように理解されるのでしょうか?
最近指摘されているのは、お年寄りの特徴は、気質や人生経験からくる性格の問題もあるでしょうが、脳の機能の低下、認知症や老年期うつ病などの精神疾患、あるいは肝硬変といった身体疾患など、さまざまな病気によってもたらされる症状でもあるという説です。
性格と考えると、本人の特性ですから「もう致し方ない」と、周囲が迷惑していても諦めるしかないとみなされますが、病気の症状と考えると、可能な限り「治療の対象」として取り組まれることになります。
結果として、症状が寛解したり、周囲から一生懸命かかわってもらって、当のお年寄りが元気になったりということも散見されているようです。
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