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さまざまな「移植」
ドナーの状態による分類
・生体移植:生きているドナーから提供されて、移植を受ける
・脳死移植:脳死と診断されたドナーから臓器を提供される。心臓移植など
・死体移植:死亡したドナーから提供されて、移植を受ける
臓器移植:臓器や組織からの分類
臓器移植は臓器が障害され、生命が危ぶまれたり、生活が非常に障害されたりするようなときに、他の人から臓器をもらって快復を図るものです。
レシピエントの臓器を摘出して、ドナーの臓器を同じ場所に移植することを「同所性臓器移植」といい、心臓、肺、肝臓、小腸などの移植で行われます。
膵臓や腎臓の移植では、レシピエントの臓器を残したままで、別の場所にドナーの臓器を移植するので「異所性臓器移植」といいます。(日本移植学会HPより)
造血幹細胞移植
急性骨髄性白血病の治療法として造血幹細胞移植(骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植)があります。骨髄、末梢血肝細胞、臍帯血(さいたいけつ)を用いて、血縁者や非血縁者から移植を受ける方法です。
これまでの研究で、ドナー由来の白血球が患者さんの身体に残る白血病細胞をやっつける免疫反応をもつことがわかってきましたので、移植後に起こる免疫反応の力を使って、白血病細胞を死滅させる治療法という考え方になっています。
造血幹細胞移植では、抗がん剤や放射線治療を受けた後、肝細胞が投与されます。
角膜移植
病気や障害により、角膜が薬品による治療を得られないときに行われるのが角膜移植です。角膜移植は死亡した人の健康な角膜を移植して、病気や障害のある角膜と取り換える治療法です。
皮膚移植
自分の身体の他の部分から皮膚を採取し、皮膚が欠損している部分に移植することで、「植皮(しょくひ)」ともいいます。移植した皮膚は色や質感が違いますが、4日ほどで新しく血が通い、1週間程度でつきます。
皮膚移植は自分の皮膚を移植することが一般的ですが、全身火傷などで免疫力が下がっている場合、他人の皮膚を移植することもあります。また、動物のコラーゲンなどから作製した人工真皮を補助的に利用することもあります。
最近では、自分の皮膚を1㎠大ほど採取し、培養皮膚を作製して、治療に応用する研究が進んでいます。
その他
以上のほかにも毛髪移植手術などもあります。さらに、まだ治療法としては確立していないものの、次のような移植手術が世界中で実施された事例があります。
・四肢移植
フランスで腕の移植が行われた。世界で10数例の報告がある
・陰茎移植
中国で1例報告されている
・子宮移植
世界で数例の報告あり
・顔面移植
フランスで初の移植が行われた。他にも数例報告あり。救命目的の顔面移植はポーランドが初
・頭部移植
ネズミとサルで頭部移植が成功している。2017年にALS(=筋委縮性側索硬化症)のロシア人に人間の頭部移植が行われる予定
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