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執筆:井上 愛子(保健師、助産師)
医療監修:株式会社とらうべ
普段はいびきをかかないのに、「お酒を飲んで寝るといびきがうるさい」と指摘されたことはありませんか?
自宅ならばまだしも、電車で居眠りをしている時や、友人との旅行などでは周りの目が気になるものです。
なぜお酒を飲むと、いびきが大きくなるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
アルコールの作用をおさらい
まずは、アルコールの作用をおさらいしましょう。食事の際にお酒を飲むと、緊張がほぐれたり、会話が弾んだりしますね。
このように、アルコールは適量であれば、気持ちをリラックスさせる効果があります。
また少量であれば、心臓など循環器系の病気の予防につながったり、善玉として知られるHDLコレステロールを増加させることも明らかになっています。
一方で、大量にお酒を飲む習慣が長期間続くと、肥満や肝臓の障害につながることは周知の事実。さらにアルコールを解毒する役割のある肝臓だけでなく、膵臓などそのほかの消化器やさらに脳にも影響を与え、アルコール依存症に陥る可能性もあります。
身体にさまざまな影響を与え、プラスにもマイナスにも働くアルコール。
それでは、睡眠やいびきとは、どのような関係があるのでしょうか。
お酒といびきの関係
お酒にはリラックス作用があるとお伝えしましたが、その効果は精神面にも身体面にも現れます。
実は、アルコールには筋肉の緊張を緩める筋弛緩作用があり、いびきをかくのは、喉の筋肉が緩んで、空気の通り道である気道が狭くなることが原因です。
また舌の筋肉が麻痺して、仰向けの姿勢で眠る際、喉の方に舌が落ち込みやすくなったり、血行が良くなることで鼻の粘膜が腫れ、鼻づまりを起こしやすくなる場合もあります。
これらの影響が重なり、お酒をのんで寝るといびきがうるさくなる傾向にあります。
また、気道が狭くなり、身体が必要とする酸素を充分に取り込めないと、睡眠中にたびたび目が覚めたり、熟睡しづらい状況になります。
健康な人が一時的にそうなることは問題ありません。しかし、睡眠中に呼吸がとまりやすくなる「睡眠時無呼吸症候群」と診断されている人は、症状が悪化する可能性もあり、とくに注意が必要です。
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