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執筆:桜 イクミ(管理栄養士)
医療監修:株式会社とらうべ
最近、健康のために「炭酸」を売りにした商品をよく目にしますね。その種類も飲料、化粧品、お風呂用の商品などさまざまです。
しかし「炭酸」の身体への効果とは、一体どのようなものなのでしょうか。
ご一緒に詳しくみていきましょう。
いまさらだけど、炭酸とはなに?
炭酸は二酸化炭素が水にとけて生じる溶液のことです。炭酸水やソーダ水ともいいます。
炭酸水には天然のもの、炭酸ガスと水に圧力をかけて製造する人工的なものがあります。
炭酸を使った商品で、とくに多くみかけるのは飲料としての炭酸水、ソーダ水などです。
そのほかに最近では、健康や美容のために化粧水やパックなどの化粧品、シャンプーや入浴剤、お風呂の人工炭酸装置などがあります。
このようにさまざまな商品に使われている炭酸ですが、いったいどのような効果があるのでしょうか。
炭酸の身体への効果とは?
炭酸は健康、美容、ダイエットなどの目的で使われています。次のような効果が指摘されています。
健康・美容効果
1.血行促進
ヒトの細胞は酸素が供給されることによって働きが活発になります。そのさい二酸化炭素がカギとなります。
二酸化炭素が血管の中に入ると血管が拡張し、流れる血液の量が増えて血行促進につながるからです。こうして酸素が多く供給されると、細胞が活発になり、新陳代謝が良くなります。
呼吸によって身体の中に入った酸素は血液中のヘモグロビンと結合することで運ばれ、酸素を必要とする臓器や組織にたどりつくと、酸素を手放します。
このとき、ヘモグロビンは二酸化炭素と結合することによって、酸素を手放すのです。
もし二酸化炭素がなかったら、酸素が手放されず、供給されにくくなります。二酸化炭素があるおかげで、ヘモグロビンと結合し、酸素を手放し、細胞に届けられるのです。
このように血行を促進し肌の隅々まで酸素や栄養を届けることから、炭酸(二酸化炭素)には美肌効果も期待されます。
またスポーツの疲労回復においても活用されています。
運動後は疲労物質である乳酸がたまります。血行促進効果により疲労物質である乳酸を排泄しやすくします。
2.整腸作用
炭酸が腸を刺激して、腸が便を運ぶための蠕動(ぜんどう)運動を活発にすることから、便秘の改善にも役立つといわれています。
ただし、便秘には腸の蠕動運動が低下する「弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)」と、ストレスや自律神経の乱れによる「けいれん性便秘」があります。
腸にガスが溜まりやすい方や、けいれん性の便秘の方は、炭酸での便秘解消はおすすめではありません。腸を刺激すると逆に症状が悪化することもあります。
ダイエット効果
炭酸水を飲むと炭酸によって胃が膨張するため、満腹感に速くつながります。そのため、食べ過ぎを防いでダイエットにつなげることも可能です。
ただし、胃が膨らむことで炭酸の効果が発揮されるので、量は多めに摂らないと効果は出ないでしょう。
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