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執筆:森 ジュンヤ(理学療法士)
姿勢の悪さを代表する「猫背」。
姿勢ひとつで相手に与える印象は違うもの。できる限り「猫背な自分」にはなりたくはないですよね。
しかし、猫背はカラダにどのような影響を与えるのでしょうか。単に見た目が悪いだけなのでしょうか。
今回は、意外と知らない猫背について、自分でできる「猫背の予防・改善法」とあわせて紹介したいと思います。
意識しないと誰だって猫背になりやすい
例えば雑誌などで、姿勢がきれいなモデルさんを見れば誰だって憧れるものです。
ただ姿勢を矯正するのは容易ではありません。
「気がつくと猫背になっている…」多くの人が似たような経験をしているのではないでしょうか。
“気がつくと”猫背になる。
そう、猫背はとってもラクな姿勢なのです。
じつは良い姿勢をキープするためには、お腹や背中の筋肉を働かせて腹圧を維持しなければなりません。
ですが、猫背になるとお腹が圧迫される分だけ自然に腹圧が高まるので「筋肉の活動がなくても」立つ・座るという姿勢をある程度保つことができます。
姿勢を良くしようと思うとちょっと疲れますよね。
これはお腹や背中の筋肉が活動している証拠。人間は気を抜くとついついラクをしたくなるもので、これが猫背を生み出しているというわけです。
猫背ってカラダに悪いの?
猫背を治したいという人の多くは外見的な問題が大きいといわれます。
背中が丸くなったり、アゴが突き出ていたり、下腹がぽっこり前に出るといった姿勢は見た目としても好ましくありません。さらに実年齢よりも老けた印象を与えてしまうこともあります。
しかし、それだけではありません。
猫背は、筋肉、靭帯、脳、内臓、呼吸といったことにも影響します。姿勢不良は習慣になっているので、活動性が低い筋肉は弱くなり、また骨の位置を正常に保つ靭帯も緩んでしまいます。
これらが原因となり骨格が歪んでしまうので、脳の血流も減り頭痛や肩こりなど問題をおこすリスクが高くなるといわれています。
また呼吸にも影響が出ます。
猫背によって肺が圧迫されて十分な酸素を取り込めないので、息切れしやすくなったり、体力が落ちるといったことにもつながります。
このほかにも食道や胃が押しつぶされているので食欲が落ちたり、消化のはたらきが低下するといったこともあります。
悪い姿勢は「万病の元」となりえるものなのです。
それでは具体的な予防ポイントについて見ていきましょう。
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