塩分の摂りすぎは、どうしてカラダに悪いの?

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塩分の摂りすぎは、どうしてカラダに悪いの?

公開日時

 
執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ

 
 

近年は健康についての情報が身近になり、「減塩」という言葉を聞くことが多くなりました。
 
漠然と「減塩は健康」と思っている方も少なくないでしょう。
 
実際、減塩はなぜ身体に良いと言われているのでしょうか。
 
塩分と身体の関係を知り、塩分と上手に付き合う方法を知りましょう。
 

 

塩の働き

 
塩は、ナトリウムと塩素の化合物です。
 
体内では「ナトリウム」が必須ミネラルとしてさまざまな働きをしています。
 
ナトリウムの働きはおもに4つあります。
 

1.体内の塩分濃度を調整する

体内の塩分濃度は約0.85%に保たれています。身体の塩分濃度の調節には、ナトリウムとカリウムが関わっています。
 
細胞内にはカリウムが、細胞外にはナトリウムが多く存在しています。
 
細胞内の塩分濃度が高くなると、細胞外にあるカリウムと交換でナトリウムを排出し、濃度を一定に保ちます。
 
また細胞外の塩分濃度が高くなると、ナトリウムは骨に吸収され、反対に塩分濃度が低くなると骨中のナトリウムが放出されます。
 
このようにして、身体の塩分濃度は一定に保たれているのです。

 
 

2.酸・アルカリのバランスを調整する

ヒトの体液は弱アルカリ性に保たれています。
 
たとえば、激しい運動をして乳酸が産生・蓄積されたときや飢餓状態になったとき、一時的に血液に酸性物質が多くなります。
 
このようなとき、ナトリウムによって中和、調整されて、弱アルカリ性を保っています。

 
 

3.神経伝達や筋肉の収縮・弛緩を助ける

神経系で行われる情報の伝達や筋肉の収縮・弛緩の指令は、電気信号によって伝えられます。
 
この電気信号は、細胞内のカリウムと細胞外のナトリウムが入れ替わることで発生しています。

 
 

4.栄養素の吸収を助ける

糖質の分解物であるグルコースやたんぱく質の分解物であるアミノ酸、カルシウムなど、ほかの栄養素の吸収を助けます。

 
上記から、塩分から摂取するナトリウムは身体にとって必要不可欠であることがわかりますね。
 
 

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