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認知症の治療と予防:早期対応の必要性
認知症の大半を占めるアルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型などの認知症は、現在、完治させる治療法は見つかっていません。
症状は比較的ゆっくりと進行していくので、症状の進行を遅らせたり軽くしたりする対症療法と、介護などのケアがメインとなっています。
それでも、早い段階で見つけて治療に取りかかることによって、症状の改善や効果的な対症療法ができることがわかっています。
専門医への早期受診が奨励されており、「もの忘れ外来」「認知症外来」あるいは、「神経内科」や「老年内科」があります。
また、予防因子として、「生活習慣の改善」「運動・趣味・各種アクティビティ」「積極的なかかわりや人間関係」が挙げられています。
日常生活における認知症のサイン
早期発見・対応のために、日常生活で注意したい「認知症の危険信号」が挙げられています。
認知症の専門医・朝田隆医師は、次のような行動が複数みられる場合、また、くり返される場合は早めに専門医を受診するようすすめています。
・何回も同じことを聞いたり、話したりする
・しまい忘れや置き忘れが目立つ
・冷蔵庫に同じ食材がいくつも入っている(同じものをいくつも買いだめしている)
・冷蔵庫に入れるはずのないものが入っている
・日にちや曜日、月や季節を間違えることがある
・以前よりも調理に時間がかかり、同じ料理ばかり作るようになる
・鍋を火にかけていることを忘れ、鍋を焦がすことがよくある
・子どもや孫の名前を混同する
・約束の時間や待ち合わせの場所をよく間違える、または忘れる
・朝、話したことを午後には忘れている
・趣味や好きだったことに興味や関心を示さなくなった
・会話がかみ合わない、話が通じない
(参照:朝田隆監修『ウルトラ図解 認知症』法研、2016.による)
もちろん、症状の現われかたにムラがあったり、何となく症状が出ているのでわかりにくいこともあります。
また、家族には症状がよく現われるのに、外で他人と会うと、シャキッとしていることもあります。
さらに加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れは、素人には見分けが難しいということもあります。
しかし、認知症が進行してくると上に挙げた症状がハッキリと増えてきますので、家族など周囲の人たちはよく見ていて、気がついたら早めに対応することを話し合ってみてください。
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