ちょっとした痛みや違和感を、重大な病気ととらえる「心気症」

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ちょっとした痛みや違和感を、重大な病気ととらえる「心気症」

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心気症の診断基準

 
アメリカ精神医学会が出版している臨床での診断基準『DSM-5:精神疾患の分類と診断の手引き』では、心気症は「病気不安症」という名前が使われています。
 
そして、病気不安症の診断基準が以下のようにまとめられています。
 
 

A.重い病気である、または病気にかかりつつあるというとらわれ
 
B.身体症状は存在しない、または存在してもごく軽度である
 
C.健康に対する強い不安が存在し、かつ健康状態について容易に恐怖を感じる
 
D.その人は過度の健康関連行動を行う(例:病気の兆候が出ていないか繰り返し体を調べ上げる)、または不適切な回避を示す(例:受診予約や病院を避ける)
 
E.病気についてのとらわれは少なくとも6カ月は存在するが、恐怖している特定の病気は、その間変化するかもしれない
 
F.その病気に関連したとらわれは、身体症状症、パニック症、全般不安症、醜形恐怖症、強迫症、または「妄想性障害、身体型」などの他の精神疾患ではうまく説明できない

 

「身体に異常がないのに、病気に対する強い不安を持つ」という状態は、心気症以外の精神疾患(うつ病など)の症状として現れることもあります(心気症状、心気妄想)。
 
そのため、心気症のような症状が出ている場合でも、ほかの病気の診断基準を満たしている場合には、心気症以外の診断名がつけられます。
 
 

心気症の症状

 
心気症の患者が訴える身体的な症状には個人差がありますが、上腹部の異常を訴える人が多いといわれています。
 
実は、これは心気症の語源と関係しています。
 
心気症の別名である「ヒポコンドリー」の語源は、ラテン語で「みぞおち」を意味します。
 
これは、心配事や不安なことがあるときには、みぞおちのあたりが痛くなることが多いことに由来しています。
 
また、心気症の症状には、抑うつや不安などの精神的な症状もあり、これがさらなる身体への違和感を引き起こしているのではないかという指摘もあります。
 
 

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