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パニック発作だけではない!診断のポイントとは
パニック障害のことを「パニック発作がくりかえされる病気」とお伝えしましたが、診断の際は、「予期不安」や「回避行動」などがあるかどうかもポイントになります。
それぞれどのようなものなのかを説明します。
予期不安
予期不安とは、文字通り、実際にはまだ起こっていないことに対して不安を覚えることをいいます。
パニック障害の場合、一度パニック発作を経験すると、「また発作が出たらどうしよう」という不安に襲われます。
この予期不安が患者のストレスとなって、さらなるパニック発作を誘発することがあります。
回避行動
パニック発作が続くと、発作が起こりそうな場所や状況を避けるようになります。これを回避行動といいます。
とくに単独行動や公共への外出に不安を覚えるため(広場恐怖)、次のような状況を避けることが多いようです。
・バス、電車、飛行機などの公共交通機関
・市場や橋、大型駐車場などのひらけた場所
・デパート、映画館などの閉ざされた場所
・行列などの混雑した場所
・独りでの外出
このように、パニック障害は、パニック発作だけでなく、それにともなって上記の症状が現れます。
『DSM-5』では、パニック発作後に予期不安と回避行動のどちらか(もしくは両方)が1か月以上続き、かつこのような症状がほかの病気によって起きているのでないときに「パニック障害」と診断される、としています。
パニック障害はどんな人に多いのか:統計調査の結果
精神科医の貝谷久宜氏らが過去に国内で行った健康調査(※)では、罹患率は男性が1.8%、女性が5.4%であり(全体では3.4%)、女性の方が罹患率が高いという結果が報告されました。
この結果が示すように、パニック障害には罹患率に性差があり、女性の方が発症しやすいことがわかっています。ただ、現在のところ、その理由はわかっていません。
初発年齢は男女ともに20~30代の若い世代が多く、患者のおよそ60%は35歳までに発症するといわれています。
また、貝谷氏は患者の低年齢化を指摘していて、小学生でも発症した例があったといっています。
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