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抗原と抗体
免疫の対象となる病原体などは「抗原」と呼ばれています。また、ワクチンなどによって身体のなかに「抗体」と呼ばれるタンパク質(免疫グロブリン)が産生されます。
そして、ひとたび抗原が体内に入って抗体をつくったあと、ふたたび体内に同じ抗原が入ってくると、「抗原抗体反応」と呼ばれる生体防御反応が起こります。
抗体が抗原と結合して、抗原の毒性を弱めてくれるわけです。
ですから、予防接種(ワクチン)は、あらかじめ弱毒化した抗原を摂取することで人為的に「二度なし」を造り出す営みです。
19世紀末に、この仕組みを発見した一人が北里柴三郎博士でした。
免疫細胞の発見:自然免疫と獲得免疫
20世紀初頭に顕微鏡オタクだったロシア人科学者E.メチニコフは、細胞が異物を食べているのを、お気に入りの顕微鏡観察で発見しました。
この現象は免疫学では「貪食(どんしょく)」と呼ばれます。
今では白血球など「免疫細胞」がこの任に当たっていることがわかっていますが、この「細胞性免疫」を最初に発見したのがメチニコフでした。
現在では、細胞性免疫を主とした「自然免疫」と、抗原抗体反応を主とした「獲得免疫」とが主な免疫機構であることが判明しています。
ちなみに、メチニコフは晩年、腸内細菌に興味をもって、とくに乳酸菌の研究に従事していたそうです。
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