(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
免疫が引き起こす病気など
免疫はほんらい、病原体から生体を守る機能ですが、その仕組みが明らかになるにつれて、免疫自体が病気の原因となることも解ってきました。
免疫系が引き起こす病気は「免疫病」と呼ばれます。
アレルギー、膠原病などの自己免疫病、エイズのような免疫不全症などが挙げられます。また、免疫機能が低下することによって、感染症はもとより、がんや臓器の病気、生活習慣病、精神疾患なども、その発生が促されます。
さらに、臓器移植のときに起こる「拒絶反応」は、実は免疫応答であること、また、妊娠をすると、胎児は異物なので免疫力が下がって胎児を守ることなども解ってきました。
免疫とは「非自己」を排除し「自己」を守る生体防御反応
病原体やがん、輸血された血液や移植された臓器など、抗原物質を免疫は「非自己」とみなします。
そして免疫系は、非自己を察知すると、白血球など免疫担当細胞という防衛チームでもって自己を守ろうと免疫応答を起こして、非自己を排除するのです。
最近では、こうした免疫機構を治療に活かした、がんの免疫療法なども注目されています。
【参考】
・日本免疫学会 『免疫とは?』(http://www.jsi-men-eki.org/general/q_a.htm)
・村口篤編著『トコトンやさしい免疫・アレルギーの本』日刊工業新聞社B&Tブックス、2005.
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお・かおるこ)
助産師・保健師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
スポンサーリンク