風邪をひきやすい人、ひきにくい人。 その差はどこに?

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風邪をひきやすい人、ひきにくい人。 その差はどこに?

公開日時

風邪をひきにくい生活習慣

 
前項の医師の見解から、「ストレスがない、ストレスに強い」「生活習慣が整っている」「免疫力が強い」ことは、風邪をひきにくい要因となるでしょう。
 
具体的には次のようなことです。
 

十分な睡眠をとる


起床したら朝日を浴び、朝食を摂る


バランスの取れた食事を摂る


上手にストレスを発散させる


楽しく会話したり、笑ったりすることがよくある


定期的に運動し、休養を取っている


入浴などリラックスする時間をとっている


身体を冷やさない(温める)


手洗いやうがいなど、風邪をひき起こすウィルスに感染しないように予防を講じている

 
このように、ストレスを回避し、生活習慣を整え、感染予防を心がけることで、自ずと免疫力は高まっていきます。
 
また、もともと虚証で身体が弱い人や、加齢により免疫力が低下している人なども、ストレスや生活習慣を整えることで、もてる免疫力を最大限に保つことができるようになります。
 
 

風邪をひきやすい「虚弱体質」

 
それでは、風邪をひきやすいというのは、前述のような環境や生活スタイルといった「後天的要因」によるものだけなのでしょうか。
 
辞書(大辞泉)には、体質とは「からだの性質。遺伝的素因と環境的要因との相互作用によって形成される、個々人の総合的な性質」とあります。
 
「風邪をひきやすい体質」は、もっとも典型的な例として挙げられています。
 
「風邪をひきやすい体質」としてあげられる虚弱体質は、正式な医学用語ではありません。
 
しかし、東洋医学にも精通している消化器の専門医によると、次の条件が重なることで「虚弱体質」が作られると考えられています。
 

胃腸が弱く、便秘や下痢を起こしやすい

呼吸器が弱く、風邪などをひきやすい

心臓血管系が弱く、いつも青白い顔をしていて、貧血になりやすい

精神的に脆弱である

骨や筋肉が細い

 
こうした虚弱体質には、冷え性や代謝が悪い、免疫力が低い、などの特徴も伴います。
 
ところで「体質」は、辞書の定義にもあるように、食事や生活習慣などにより後天的に作られると同時に、先天的に継承されるものでもあると示唆しています。
 
ただし、遺伝的側面に関する科学的なアプローチは、まだ試行錯誤の段階です。
 
たとえば、虚弱体質や免疫力の弱さ、あるいは、ストレスになりやすさが、どの遺伝子やその組み合わせの影響によるものなのかを解明するゲノム研究は、今のところ先端的な研究が端緒についたところのようです。
 
今後にその解明が期待されます。

 
 
【参考】
・コトバンク 食の医学館「虚弱体質」(https://kotobank.jp/word/%E8%99%9A%E5%BC%B1%E4%BD%93%E8%B3%AA-794738)
・理化学研究所 プレスリリース(http://www.riken.jp/pr/press/2017/20170530_1/)
 
 
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

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