眼科の代表的な病気「白内障」と「緑内障」 白と緑でなにが違う?

Mocosuku(もこすく)
  • 眼科の代表的な病気「白内障」と「緑内障」 白と緑でなにが違う?

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

眼科の代表的な病気「白内障」と「緑内障」 白と緑でなにが違う?

公開日時

緑内障の治療や対応

 
緑内障の初期は自覚症状が少ないため、定期的に視野のチェックを行い、欠損を感じたらできるだけ早く医療機関を受診するよう奨励されています。
 
問診や検査の結果、緑内障と診断された場合、眼圧の高さや症状の進行度合いによって主に3つの治療法が選択されます。
 

点眼薬で眼圧を下げる(薬物療法)

 
いったん緑内障で視野欠損が起こると、傷ついた視神経を修復して視野を回復する、根本的な治療は今のところできません。
 
治療はこれ以上視野の欠損が拡がらないように眼圧を下げる対症療法が中心です。
 
房水の産生を抑制するものと房水の排出を促進するものがありますが、患者さんの状態に合わせて薬の種類を選択し、点眼薬として処方されます。
 

レーザー治療

 
点眼薬では効果がない場合、房水の流れを改善するために、虹彩(こうさい)に孔を開けるレーザー照射が行われます。
 
照射時間は5分程度、日帰りで受けられる治療法です。
 
また、レーザー治療は出力を弱くして白血球のマクロファージを活性化するためにも用いられます。
 
溜まった老廃物を除去して、房水の流れを改善します。
 
ただし、この方法は効果が出るまで3か月ほどの時間を要します。
 

繊維柱帯への手術法

 
房水がスムーズに流れるよう、房水が流れるフィルター役である繊維柱帯(せんいちゅうたい)を切開または切除する手術です。
 
レーザー治療が効果を発揮しない場合に用いられます。
 
手術後の管理が重要なので、どちらも7~10日ほどの入院を要します。
 
 
このように、緑内障は症状の程度によって治療法は異なりますが、どの方法も定期的な通院と目の保護や生活の管理が求められます。
 
術後の点眼は生涯継続します。
 
また、基本的には普通に生活できますが、イライラやストレス、カフェインのとり過ぎ、ステロイド薬の長期使用などは注意が必要で、できるだけ避けるように指導されます。
 
白内障も緑内障も初期では自覚症状がなく、気がついたときには病気が進行していることも少なくありません。
 
定期的に目の健診を受けて早期発見を心がけましょう。
 
 
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【病気(その他)】新着記事

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ 「トリプトファン」はアミノ酸の一種です。 トリプトファンが不足すると精神的に不安定な状態や不眠などを招き、やがて自律神経や体内リズムの乱れ...

2019/07/16 18:30掲載

原因は汗づまり? 水虫と間違えやすい「汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)」とは

原因は汗づまり? 水虫と間違えやすい「汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)」とは

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ ジメジメしたこの季節、不快な症状のひとつ「かゆみ」が気になるという人は多いと思います。 そんな「かゆみ」の症状のなかに、水虫と似ている...

2019/06/25 18:30掲載

”がん”のリスクも!? 「口の中のやけど」には適切な対処を

”がん”のリスクも!? 「口の中のやけど」には適切な対処を

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 熱い飲み物をはじめ、たとえば出来立ての小籠包や焼きたてのピザなど… 飲み物や食べ物による口のなかのやけどは、どなたも経験したことがある...

2019/04/23 18:30掲載

あなたの周りは大丈夫?「ゲーム依存は病気です」とWHOが認定

あなたの周りは大丈夫?「ゲーム依存は病気です」とWHOが認定

執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ ゲームが気になってスマホが手放せない、休みの日は際限なくゲームにのめりこんでしまう… そんな状態に陥っている人はいませんか? ...

2019/01/04 18:30掲載

口や目の渇きには気をつけて! 女性に多い疾患「シェーグレン症候群」

口や目の渇きには気をつけて! 女性に多い疾患「シェーグレン症候群」

執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ いつも喉が渇いて水分が手放せなかったり、目が乾燥してつらかったりすることはありませんか? もしかすると、その原因には「シェーグ...

2018/12/21 18:30掲載

眼科の代表的な病気「白内障」と「緑内障」 白と緑でなにが違う?

眼科の代表的な病気「白内障」と「緑内障」 白と緑でなにが違う?

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ さまざまな眼の病気のなかでも、「白内障」と「緑内障」の患者数は、近年増加傾向と言われています。 名前が似ているため、同じような病気と誤...

2018/12/07 18:30掲載