(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
人工知能を取り入れた未来の医療 を実現する日もそう遠くないかもしれません。
「Watson(ワトソン)」とは何かご存じですか?IBMが開発した人工知能システムで、アメリカやカナダでは、がん治療に役立てる試みが始まったとのこと。
Watsonには過去のがんにまつわる膨大な量の医療データが格納されています。これを参考にしながら、患者のデータを高速で解析し、その患者にとって最も適切と思われる治療方針や投薬する薬を提案し、医師や患者が意思決定するための支援を行うというものだそうです。
ある医師によると、通常、患者ごとにがんの遺伝子を解析し、診断と治療方針を決める際には、専門の医師によるチームでも数週間という長時間を要するとのこと。その期間が、人工知能システムの活用によってわずか数分となり劇的に短縮される、と好意的に受け止めている人が多いといいます。
人工知能を取り入れた未来の医療 :細胞が「がん」化するまで
がんは普通の細胞から発生した異常な細胞のかたまりです。正常な細胞は身体や周囲の状態に応じて殖えたり、殖えるのをやめるのに対して、がん細胞は、身体からの命令を無視して勝手に殖えつづけます。それで、周囲の大切な組織が壊れたり、がんのかたまりが、あるはずのない組織で増殖したりします。
ある遺伝子に傷がつくと、細胞増殖のアクセルが踏まれたままの状態になることがあります。このような遺伝子を「がん遺伝子」と呼びます。反対に、細胞の増殖を抑制したり、DNAに生じた傷を修復したり、細胞の自然死(アポトーシス)を誘導したりするのが「がん抑制遺伝子」です。いわばブレーキの役目です。
スポンサーリンク