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執筆:玉井 仁(臨床心理士)
怒りをコントロールするにはどうしたらよいのでしょうか。
怒りの感情を表に出したとたん、怒りにさらに勢いがついてしまう人がいます。
本当はそこまで怒るつもりはなかったのに、つい激昂してしまい、後から自己嫌悪に陥る……。
しかし、適切なトレーニングをすれば、怒りをコントロールすることは可能です。
それを「アンガー・マネジメント」と呼びます。
ここでは、ある女性のケースを通してアンガー・マネジメントについて考えてみましょう。
大切なものを失うことから始まった
みどりさん(40代・仮名)のアンガー・マネジメントの取り組みを、紹介しましょう。
みどりさんは幼少期に、毒親と呼ぶべき激しく攻撃的な親との関係で苦しみました。
その影響は深く、大人になってから「境界性パーソナリティ障害」の診断を受けるまでになりました。
怒りのコントロールができず、しばしば怒りに振り回されてしまう彼女は、夫と子供という、最も大切なものまでも失ってしまいます。
そこから、みどりさんはアンガー・マネジメントに取り組むようになりました。
アンガー・マネジメントにおいては、怒りを「キャッチボールのボール」になぞらえることができるかもしれません。
ここでは、みどりさんが、「怒りのボールを恐れない」で生活できるまでになる過程を見ていきたいと思います。
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