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執筆:井澤 佑治(ライター)
梅雨明け直後の連続した晴天では、熱中症への十分な対策が必要される一方で、毎年起こる事故が、「子どもの車内放置」です。車がらみの事故では、ドアやパワーウインドウなどに手や足を挟んで怪我をするような事例も報告されているため、夏休みに家族で出かけるときは注意が必要です。
炎天下で温度が急激に上昇してしまう車内に、子どもを置いていくなどという行為は言語道断ですが、そのほかにもつい置いてしまいがちな危険アイテムがあるのでご紹介しましょう。
真夏の車内で気をつけること :車内の温度はどれぐらい上昇するのか?
JAFがおこなったテストによると、風通しや日除けの対策をしていない車では、外の気温が35℃程度でも、車内の温度は1時間足らずで50℃前後まで上昇するということが判明しています。
ここまで温度が上昇してしまうと、車内はオーブンのようになっているため、車を離れる際に下記のようなものを車内に放置すると危険な場合があります。
スマートフォンや携帯、電子機器
上記のような高温の下では、スマートフォンや携帯は故障や誤作動を招くおそれがあり、最悪の場合は発火や破裂の危険もあります。また、パソコンやデジカメなどの電子機器も、バッテリーパックの膨張などによる故障や発火の危険があるため、車内には放置しないようにしましょう。
また、バッテリーパックと同様に、乾電池などの電池類も高温による変形や液漏れ、破裂などのおそれがあるので、車内に置きっぱなしにするのは禁物です。
スプレー缶や炭酸飲料のペットボトル、ガスライター
キャップを閉じた状態の飲み残しの炭酸飲料や、高圧ガスを使用しているスプレー缶は、高温の車内やダッシュボードの上に置いておくと破裂する危険があります。また、ガスライターも発火や爆発のおそれがあるので車内への放置は厳禁です。
化粧品
意外に思われるかもしれませんが、高温となる車内に化粧品を置いておくと、口紅が溶け出したり、スプレータイプの商品やネイルカラー、香水などは容器が破裂・爆発する危険があります。化粧ポーチを車内に放置するのはやめておいたほうが無難といえるでしょう。
ペット
高温が苦手なのは人間ばかりではありません。たとえば全身を毛で覆われている犬の場合、寒さに強い反面、暑さには人間以上に弱いという面もあります。旅行などにペットを連れて行く際は、くれぐれも車内で「留守番」をさせないようにご注意ください。
ちなみに、JAFのテストでは、車内の温度が熱中症の「警戒レベル」まで上昇するのに、エアコンを切ってから5分程度しかかかりませんでした。この結果からは、たとえ短時間でも車内に子どもやペットを放置するのが危険だということがわかります。
今の季節、閉め切った車内には「人もモノも残さない」のが基本といえそうですね。
<参考資料>
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/temperature/detail2.htm
(車内温度に関するテスト JAF)
http://www.jcia.org/n/pub/use/
(季節の情報 日本化粧品工業連合会)
執筆:井澤佑治(いざわ・ゆうじ) 舞踏家/ダンサー。通販メーカーのコピーライターとして、健康食品などの広告を数多く手がけたのちに、ダンサーとして独立。国内外で公演やワークショップ活動を展開しつつ、身体操作や食事療法などさまざまな心身の健康法を探究する。現在はダンスを切り口に、高齢者への体操指導、障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などにも携わっている。
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