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執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
免疫(めんえき)とは、文字通り「疫(病気)をまぬがれる」という意味ですが、外から侵入してきた病原体や、体内で生じた異物を排除して、健康な身体をキープしようとする身体の仕組みのことを指しています。
免疫の仕組みは長らくベールに包まれていましたが、比較的最近さまざまなことが解明されてきています。
今回は、この「免疫力」について、その基礎的なことを確認したいと思います。
免疫:二度目の感染から免れること
18世紀末にイギリス人の外科医ジェンナーは、天然痘に対する予防法の開発にいたる実験を行いました。
18世紀初めに大流行した天然痘。乳しぼりの人たちが天然痘にかかりにくいという観察結果から、天然痘に似た牛痘を8歳の少年に移植したところ、天然痘にかからなくなったという結果を得ました。
これが「種痘」と呼ばれる予防的処置となりました。
後年、フランス人の微生物学者パスツールがジェンナーのこの発見を汎用して、ワクチン(弱毒菌)の予防接種という方法を開発しました。
あらかじめ弱い病原体を投与しておくと、抵抗力がついて重い感染症にかからないことを見出しました。
これが免疫の原理「二度なし」と呼ばれる現象です。
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