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飲酒によるトラブルで記憶に新しいのは、2012年隅田川花火大会で、東大の学生が飲酒儀式のようなコンパを行い、学生一人が亡くなった痛ましい死亡事故でした。サークルのメンバーが車座になって、大瓶に入った焼酎を豪快にのみ、酔いつぶれるかを見せ合う行為が引き金になったと言われています。
飲酒は場を盛り上げるため一役かってくれますが、サークル仲間との絆を深めるための勢いづけとしてはあまりにも危険な行為。なぜ適量を超えて飲酒し、他の人にも強要してしまうのでしょうか。アルコールが身体や心理面や行動に及ぼす影響もご紹介します。
飲酒トラブル : 飲むほどに脳が委縮?
アルコールが身体に与える影響として、まず知っておく必要があるのは脳萎縮。老化による生理的な萎縮もありますが、最近の調査では、飲酒量が増えるほど脳が委縮するということが明らかになっています。現在は晩酌でビール2缶くらいしか飲んでいないという人でも、若いころ浴びるようにお酒を飲んでいて、その習慣が長年続いていた場合、脳が委縮し、認知症の原因の一つとなる可能性があります。
脳萎縮の程度は、脳ドックを受ければ自分の目で把握することができます。飲酒による脳萎縮は断酒によって改善することも知られているため、気になる場合は一度受診をし、自分の意思でアルコールの量を調整していくことをおすすめします。
飲酒トラブル : 死につながり得る、急性アルコール中毒
個人差はありますが、お酒を飲むと酩酊状態になります。少量のほろ酔い状態だとリラックスし、ストレスを解消することができますが、度を超えるともうろうとした状態に。さらに、限度を超えると生命に危険を生じ得る状態になります。
急性アルコール中毒の症状としては、嘔吐や血圧低下、意識の低下などがあります。死につながり得るのは、吐物により窒息することや、血中のアルコール濃度が高まることにより、呼吸・循環中枢が抑制されることが一因です。また、足元がふらついたときの転倒や、状況が悪ければ電車や車にひかれる、川や海に溺れるといった危険もあるのです。
飲酒トラブル : 酔いが行動におよぼす影響「人が変わってしまう!」
酔いはアルコールによる麻痺作用によるものと言えます。脳の表層にある大脳皮質は人間の意識や精神活動など、理性をつかさどっています。しかし、アルコールは大脳皮質を麻痺させるため、シラフの時には大脳皮質によって抑制されている、本能や感情をつかさどる部分の働きを活発にさせます。酔うと陽気になったり、泣き上戸になったりと感情が露わになるのはこのためです。まさに、たがが外れた状態になります。
飲酒運転も、「いけない」とわかっていても、酔うと考えが変わり「まぁ、大丈夫だろう」と思ってしまったり、普段は言わないことを口にしてしまったり、そんな心理や行動の変化にも、アルコールによる麻痺作用が影響しています。
飲酒トラブル : アルコールハラスメントの心理
近年問題とされているアルコールハラスメント。飲酒を迫ることや、酔った状態で起こすトラブルなどさまざまな意味を含みますが、他人にアルコールを強要する心理もまた、酔いによる麻痺状態が関わっていると言えるでしょう。楽しい気持ちを分かち合いたいという心理も働いているでしょうが、抑制が外れて興奮状態になっています。強要される側にとっては、肉体的にも精神的にも大きな被害を受けるものです。
他方、強要される側も、「上司や先輩の言うことだから」「人間関係を壊したくないから」などの理由で断り切れないことも多いでしょう。でも、その優柔不断が死につながったのが冒頭の事件です。普段から飲めない体質だということをアピールしておくのも一つの方法ですし、礼儀正しくきちっと断ることが大切でしょう。
飲酒は適切な量なら場を和ませ、人間関係をスムーズにする効果もあります。飲める人も飲めない人も楽しく過ごして、悲惨なトラブルを繰り返さないようにしましょう。
執筆者:井上 愛子(保健師)/山本 恵一(メンタルヘルスライター・株式会社とらうべ副社長)
監修医:岡本 良平