子宮筋腫

Mocosuku(もこすく)
  • 子宮筋腫

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

知っていますか?子宮筋腫のこと



子宮筋腫という病名を聞いたことがありますか?ここでは、どのような病気か、 子宮筋腫の最新事情 もあわせてみてみます。

 子宮筋腫の最新事情 :どんな病気?



子宮はそもそも、そのほとんどが筋肉でできた臓器です。骨盤内にありますが、膀胱と直腸の間にあり、太くて丈夫な靭帯で支えられています。子宮は、外側から漿膜(しょうまく)という薄い膜、子宮筋層という筋肉でできた層、子宮内膜というビロードのような膜の、3層から出来ています。 子宮筋腫とは、この子宮筋層の部分にできる良性の腫瘍です。腫瘍と聞くとがんではないか?と思うかもしれませんが、子宮筋腫は筋肉の一部がコブのような固まりになったもので、がんのようにどこかに転移したり、健康なほかの細胞や組織を破壊することはありません。また、子宮筋腫が子宮がんになることもありません。 問題になるのは、子宮筋腫の大きさや数により、生理の出血量が増えたり、尿が近くなるといった症状が現れた時です。子宮筋腫は1つだけのこともありますが、多くの場合は2~3個、多い人では小さなものでも100個以上できることもあります。

 子宮筋腫の最新事情 :患者数は増えている?



子宮筋腫は女性特有の病気の中でも、最も患者数が多く、現在では30歳以上の女性の20~30%、40歳を超えると40~50%に子宮筋腫がある、といわれています。 しかしここ数年、20歳代での子宮筋腫の患者さんも増えており、理由としては初経年齢が早まっていること、がん健診などを受ける人が増えたこと、若い頃から婦人科を受診する人が増えたことなどが、その理由ではないかともいわれています。

 子宮筋腫の最新事情 あれこれ



子宮筋腫になる原因ははっきりしていませんが、人種による差があることが分かっています。白人女性にくらべて黒人女性の方が2~3倍の発生頻度が高くなります。 また、肥満の人は子宮筋腫になりやすい傾向があり、動物性たんぱく質を多くとることが影響しているのではないかともいわれ、ハムを好んで食べる人は1.3倍、牛肉を好んで食べる人は1.7倍、子宮筋腫が多くみられるという報告があります。他にも、ビールが好きな人は子宮筋腫が増加し、逆に喫煙者は発生の確立が低いのでは、という研究があります。 子宮筋腫は女性ホルモンと関係しています。一度できた子宮筋腫が自然に無くなることはありませんが、ある程度の大きさから変わらないこともありますし、逆に小さくなることもあります。とくに閉経後は大きくなることはなく、小さくなることが多いようです。また妊娠中は大きくなっても、産後に小さくなることもあります。 子宮筋腫の治療法はいくつかありますが、状態によっては妊娠・出産も可能ですし、とくに自覚症状が無い場合は、そのまま経過観察になることもよくあります。症状が強くて日常生活が辛い場合を除いては、あまり心配し過ぎず、うまく付き合っていけば良い病気でもあるのです。

【子宮筋腫】

適齢期はいくつ?「婦人科健診」の内容について

適齢期はいくつ?「婦人科健診」の内容について

執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婦人科健診、受けていますか? 実はひとくちに「婦人科健診」といっても、いくつかの検査が含まれています。 そこで今回は、婦...

2017/10/25 18:30掲載

知らなかった… 子宮筋腫・子宮腺筋症について

知らなかった… 子宮筋腫・子宮腺筋症について

執筆:青井 梨花(助産師・看護師) 監修:坂本 忍(医師・公認スポーツドクター・日本オリンピック委員会強化スタッフ) 月経中、下腹部痛などの不快な症状に悩んでいませんか? 症状の陰に、子宮筋...

2017/03/15 21:30掲載

妊娠出産にも影響「子宮筋腫」 30~40代の女性3割、うち半分は自覚なし

妊娠出産にも影響「子宮筋腫」 30~40代の女性3割、うち半分は自覚なし

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 30~40代女性の約3割もの人がかかっているといわれる「子宮筋腫」。 どのような病気かご存知でしょうか? ...

2017/03/07 21:30掲載

スポンサーリンク

健康と病気

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...