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「熱い湯に肩まで」の文化が原因か
日本で入浴中の急死が多いのは、そもそも高齢者が多いことも大きな要因です。加えて、毎日お風呂に入る習慣があること、熱い湯を好むことも関係していると考えられます。東京の銭湯は42℃以上と決められていた時代があるという話もあります※。
高温の湯はβ-エンドルフィンという脳内物質の分泌を促し、幸福感を得られるなど良い面があるのも確かです。しかし、最悪の場合は失神し、溺死の危険があることを知っておきましょう。熱い湯につかると脳卒中や心筋梗塞といった血管に由来する疾患リスクが高まります。さらに、こうした疾患を伴わない場合でも、熱中症による失神が原因で溺死に至るケースが少なくないと指摘されています。
※公衆浴場(東京都福祉保健局)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kankyo/eisei/yokujyou/yokujyou_faq.html
ヒートショックに注意
浴室が寒く、お湯が熱いというケースは、さらに注意が必要です。お風呂が別棟にあり、戸外の寒いところを歩かなくてはならないような場合は特に危険です。急激な温度変化で血圧、心拍数が激しく上昇・下降することをヒートショックといいます。お湯の温度が42℃を超えるとリスクが高くなるとされています。入浴の際は次の点に注意しましょう。
・お湯は38~41℃に設定しておく
・入浴前に浴室を暖めておく
・肩まで深くつからない
・長湯しない(7分程度にとどめる)
・水分、塩分の補給で熱中症を防ぐ
・高齢者の入浴中は家族が声をかける
とくに高齢の人、高齢の家族のいる人は突然死のリスクを踏まえ、入浴習慣を見直してみるべきでしょう。
<参考>
ホイットニー・ヒューストンさんの娘ブラウンさんが死去、22歳
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6168495
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
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