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ひきこもりの現状
内閣府が2010年に行った調査によると、「自室からほとんど出ない」「自室からは出るが家からは出ない」「普段は家にいるが、近所のコンビニなどには出かける」──に該当する狭義のひきこもりが約24万人、「普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」を含む「準ひきこもり」が約46万人、両方を合わせた広義のひきこもりは、合わせて約70万人近くいるといいます。同年の不登校(小・中・高)の合計が約17万4000人なので、非常に多いと言えます。 ひきこもりになったきっかけは、仕事や就職活動がうまくいかなかったケースが合わせて40%を超え、ついで病気が約24%、学生時代に学校になじめなかった・不登校だったという人が20%前後となっています。 内閣府による別の調査では、ひきこもりには男性が多く、年齢別で分類したときに最も多いのは40代であるという報告もあります。本来働き盛りであるはずの30〜40代がその力を発揮できないわけですから、社会にとっても本人にとっても、ひきこもりは非常に不幸な状況だといえるでしょう。
発達障害が関係している可能性
ひきこもりを単なる「甘え」と断じる人もいますが、それでは解決しません。実は、ひきこもりも脳の問題、軽度の発達障害にある可能性があります。特に職場での人間関係が原因の場合は、ちょっとしたミスが原因で出社できなくなってしまうケースは、発達障害によるコミュニケーション不全が影響していることが予想されます。 発達障害かどうかは、脳の状態を調べることでわかります。日常生活に支障がないレベルの発達障害(自閉症スペクトラム障害)、うつや双極性障害の場合は、表面化しにくいため、大人になるまで気づかれないことも多いのです。しかし、そうした問題を抱えている人は、誰もが当たり前のようにしている環境への順応やコミュニケーションでも、精神的に大きなエネルギーを使っている場合があります。それが職場の環境や人間関係に合わせようとして許容範囲を超えて、対応できなくなってしまうことで、ひきこもりにつながる可能性があるのです。 脳の症状であることがはっきりすれば、脳の機能が正常になるよう誘導していく治療の効果が期待できます。投薬と違って副作用もほとんどないため、早めに対処すれば、休職中に治療を終えて、仕事に復帰することも不可能ではありません。
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