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引きこもり対策 の課題:症状が治っても社会制度の壁がある
同じ脳の機能の問題でも、一度ひきこもりになってしまうと、不登校の場合よりも厄介な問題があります。病気としての治療が難しいだけでなく、現代日本の社会制度が、一度社会でつまずいてひきこもりになった人が復帰するのが難しい仕組みになっているからです。 不登校の場合、年齢が若く脳も成長期にある段階なので、治療による効果も比較的顕著に現れますが、大人になってからの症状であるひきこもりは、治療の効果がどうしても現れにくくなってしまうのです。 また、学生の場合は、例えば進学する際や転校などによって人間関係をリセットしてしまうことが比較的簡単です。しかし、一度社会に出てしまうと、ドロップアウトした人を救う手段が極端に少なくなります。長い期間社会に所属していないと、せっかく症状自体は治っても、再就職などで社会に復帰することが難しくなってしまいます。 いずれにしても、ひきこもりになってしまった場合は、本人のためにも、家族や周囲のためにも、早期に対策を講じるのが先決です。原因が脳の問題である場合は、治療によって状況が改善することもあるので、まずは検査を受けることをお勧めします。
<取材協力・監修> ●川口 佑(医師、新宿ストレスクリニック院長)
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